江戸時代から書き継がれてきた社務日記「御社用日記」 虫干しを一般公開 兵庫・西宮神社 | ラジトピ ラジオ関西トピックス

江戸時代から書き継がれてきた社務日記「御社用日記」 虫干しを一般公開 兵庫・西宮神社

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 商売繁盛の神様「えべっさん」の総本社・西宮神社(兵庫県西宮市)で、2021(令和3)年7月7日、兵庫県指定重要有形文化財「御社用日記」に風を通す虫干しが一般公開される。

※雨天により、一般公開は7月24日に再延期。24日が雨天の場合は中止に(※2021年7月8日現在)

「西宮神社御社用日記」は、西宮神社の神主らが代々書き綴ってきた社務日記。元禄7(1694)年から現存しており、江戸時代だけで212冊ある。2016(平成28)年に西宮市指定重要有形文化財に、翌2017(平成29)年に兵庫県指定重要有形文化財に指定された。

過去の虫干しの様子(写真提供:西宮神社)

 御社用日記は現在も毎日、宮司が筆で書き綴っている。

 虫干しは、旧暦の七夕に行われる西宮神社恒例の年中行事。風を通すことでカビや虫の害を防ぎ、点検や補修をする目的もある。江戸時代の虫干しの記述によれば、拝殿に宝物の「八代集」や菅原道真直筆の般若心経、弘法大師直筆の法華経とともに、御社用日記が並べられ、18世紀中頃には幕や諸道具類も虫干しされた。目録と照らし合わせて所蔵しているものを確認していたという。

過去の虫干しの様子(写真提供:西宮神社)

 御社用日記の記述の中には、1764(明和元)年に幕府に初めて勧進相撲が許可された時のことが書かれていて、相撲の興行を神社の境内で行うのが難しかった時代背景を読み取ることができる。また、ユニークなものでは、1811年(文化8)年にマンボウが奉納された記述がある。珍しかったためかマンボウの絵も描かれているという。当日は他にも西宮神社文化研究所で選んだ数点の記述をパネルで解説する。

 西宮神社では虫干しを毎年行っているが、一般公開を始めたのは2年前から。3回目となる今年は、虫干しを行う社務所の設備更新があるため、例年より1か月早く実施する予定。


◆兵庫県指定重要有形文化財「御社用日記」の虫干し
日時 2021(令和3)年7月7日(水)11:00~15:00
場所 西宮神社 社務所2階 和室
※雨天の場合、翌7月8日に延期→7月24日に再延期(24日雨天の場合は中止に)
【西宮神社 HP】

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