ドラマ・映画などで見て、アメリカの輸入家具に憧れたことがある方もいるかもしれない。ただ、ソファひとつをとってみても、日本のものとは大きく異なっている。「アシュレイホームストア」(神戸・六甲アイランド)の店長・田中素子さんにアメリカの家具事情について話を聞いた。
「そもそもアメリカのソファは、日本のソファよりも奥行きがあるものが多いです。アメリカではリビングでの居心地の良さを追求して、包まれた感じでリラックスできるソファが好まれます。日本では新型コロナウイルスの影響でステイホームの時間が増えましたが、アメリカではコロナ以前からリビングで家族と長時間過ごす人が多かったのも理由の一つです」(田中さん)
アシュレイホームストアで扱っているソファは、ひじかけの部分が特徴的な形をしているものが多い。アメリカのドラマなどでも見受けられるが、ひじかけの部分に寄りかかったり、座ったりすることもあるのでロールしたような形になっているという。
そのなかで、「スリーパー」と呼ばれるソファは、アメリカの中流階級以上の家庭では置いていることが多いといわれている。
「スリーパーソファとも呼ばれたり、日本ではソファーベッドなどと言いますが、ソファが簡単にベッドに変わるものです。ゲストの方が泊まるときなどに使うもので、これがリビングに置いてあったりするんです。学生時代、アメリカに留学しているときに現地で見て、日本ではお客さんにリビングで寝てもらうことがあまりないので驚きましたね」
サイズはクイーンのものもあるため、これをリビングに置いておけば、わざわざ客間を作らなくてもゆったりと泊まってもらうことができる。急に人が泊まりに来たとしても、置いていたスリーパーをベッドに切り替えるだけで準備は完了。リビングに人を泊めることに抵抗のある人がもちろんいるとは思うが、こうした方法もあると知っておくことで選択肢を広げることができるだろう。
ソファだけでなくクッションも、アメリカのものは日本と違いがある。チャックを開けると、そこに綿が直接入っていて、その綿の量でボリュームをコントロール可能。あらかじめ好みの硬さになるように綿を出しておき、長年使っている中でサイズダウンしてきた場合には綿を追加して使う。その際に、古着などを入れて調整する人もいるとのこと。