マイクとスピーカーがともにあるところで、よく起こってしまう、ひずんだ嫌な音。最近だとウェブ会議などで体験したという人も多いのでは。どういったことに注意すれば、そんな音を回避できるのでしょうか。普段はラジオを陰で支えている、音に敏感な技術スタッフが、ラジオ番組のなかで解説しました。
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音響機材を使うとき、マイクのスイッチを入れると「キーン」と、嫌な音がするときがあります。これは「ハウリング」と言って、マイクやスピーカーを使った時におこってしまう、音のトラブルの1つです。
ハウリングは、マイクで収音した音声信号をアンプで増幅し、スピーカーから出力した際に、スピーカーから出力した音をまたマイクで収音し、音が回ってしまう現象です。高周波の「ピー」「キーン」といった音や、低周波の「ボーン」といった音で、音声信号の入出力が大きくなることにより、機材に負担がかかり、場合によっては破損や損傷をしてしまうこともあります。
プロの音響スタッフがいるイベントやライブ会場では、音響スタッフが音作りの他に、スピーカーのチューニングを行い、スピーカーがハウリングをおこさないように調整しています。ハウリングはスピーカーにマイクを近づけると起こりやすくなりますが、できるだけハウリングがおこらないように、グラフィックイコライザーなどで、ハウリングが起こりやすい音の周波数をカットしています。
また、ハウリングは「フィードバック」とも言いますが、音響機材の中には「フィードバックサプレッサー」と言って、自動でハウリングしやすい周波数を検知して、ハウリングを抑える機能を持った機器もあります。
イベント会場の他にも、仕事で「Zoom」などウェブ会議システムを使って会議をしていると、突然ハウリングがおこってしまうことがあります。ハウリングを解決するのに時間がかかってしまうと、会議の雰囲気も悪くなってしまうので、気をつけたいところです。
同じ会議室で複数人が、それぞれの端末でウェブ会議システムにつないだ場合、複数のスピーカーやマイクが入力・出力することで音が回って、ハウリングが起こってしまうという現象もあります。ハウリングが起こった場合は、すぐにマイクかスピーカーの音をオフにして、いったん音が回るのを解消する必要があります。
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【放送音声】2021年10月24日放送回