10月31日投開票された第49回衆議院議員選挙。自民党は公示前の276議席からは減らしたが(259 のちに追加公認含み261)、自民・公明両党の与党では定数465の過半数(233)を超え、絶対安定多数も確保。岸田政権の継続を確実とした。
立憲民主党は候補一本化の野党共闘に一定の効果があったと評価した。立憲民主は96議席。日本維新の会は41議席で躍進、第3党に。大阪府の19選挙区のうち、日本維新の会と自民党が対決した15選挙区で維新候補が全勝、兵庫県の12選挙区のうち9選挙区でも比例代表を含み全員当選した。維新は本拠地・大阪以外の都道府県の小選挙区で初めて議席を獲得。関西の街での反応を聞いた。
〈神戸・三宮で 兵庫県加古川市・40代女性〉
「投票には行かなかった。『顔がない選挙』、棄権は初めてでした。私たちに何を、どう判断させるというのか…。いろいろ考えて、投票を見送った。これからの政治に期待することは、平成時代にほとんど上がることがなかった賃金アップ。平成初期に結婚、主人の給料はほんとうに横ばいだった。あとは年金の保障問題。本気で考える時期に来ていると思う。はっきりと数字で示してほしい」
〈神戸・三宮で 大阪府高槻市・30代男性〉
「政権を選択する選挙で、いわば『与党』が信任されたわけだから、結果的には岸田(首相)さんで負けなかった、ということですよね。もし、菅(前首相)さんのもとでの選挙だったら、与党が過半数の議席を取るのは難しかったかも知れない。コロナ禍での選挙、公約は結局、似たり寄ったりだったという印象はぬぐえない。誰が政治をしても一緒、ということが強調されたと感じた。ともあれ、岸田さんにとって初めての総選挙、厳しいスタートだと思う」
〈大阪・梅田で 大阪市天王寺区・30代女性〉
「期日前投票に。大阪ではやはり維新が目立っている。コロナ対策での吉村(大阪府知事・日本維新の会副代表)さんのアピールが印象的だから、そのまま議席につながったと思う。有権者は日ごろの政治活動を見ていると思う。
自民党を支持する人が、今回は政策について判断できずに、維新が受け皿になったような気がする。維新は予想以上に強かった。
商売する立場では、コロナ禍で経済が回らない、本当に苦しい、そうした中での給付金はもっと必要。一部ではバラマキという意見もあるが、個人事業主にはもう後がない」