軍事転用されるおそれがある「ソナー」と呼ばれる高性能の水中探知装置を、経済産業省の許可なく南米・チリへ不正に輸出していたとして、兵庫県警と第五管区海上保安本部は17日までに、 外国為替法違反などの容疑で東京都内に本社のある船舶用電子機器製造会社・元役員の70歳の男や、営業担当の40歳と57歳の男性社員、計3人を逮捕した。
3人は2020年7月1日、音波を使う水中探知装置 「スーパースキャニングソナー」を、経済産業省の許可なく、 横浜港からリベリア船籍の貨物船に積載、南米・チリの海産物加工会社に向けて輸出した疑いが持たれている。なお兵庫県警は認否を明らかにしていない。輸出申告価格は約1600万円だったという。
ソナーは、潜水艦に取り付けるなどして大量破壊兵器や通常兵器といった軍事目的に転用される恐れがあり、探知できる距離が5,120メートルを超えるなど高性能の場合、輸出の際に経済産業省の許可が必要な「リスト規制品」の1つ。
この会社は遅くとも2018年ごろから 「スーパースキャニングソナー」 を販売しており、兵庫県警は他にも不正輸出していた可能性もあるとみて調べる。