◆「田辺眞人のラジオレクチャー」
急に気温が下がると、植物の中にカロチンやキサントフィルという色素ができて、黄色や赤色を発色させるもの。漢語で「紅葉(こうよう)」、日本語で「もみじ」は、植物の汁で染色するもみ出しが、「もみいず」「もみじ」になったと言われています。
秋が深まると美しく色づく「かえで」は「カエルの手」「蛙手(かわずで)」から、「いちょう」は「軸に扇一枚」「一葉(いちよう)」から名前がつきました。
紅葉の名所・有馬温泉は、日本三古湯の1つで、「銀泉」と呼ばれる色も味もついていない炭酸泉やラジウム泉、「金泉」と呼ばれる鉄分や塩分が濃い温泉が代表的です。
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日本最古の記録に何度も登場していて、日本書紀には、中大兄皇子が645年に起こした“クーデター”よりも前に父の舒明天皇が訪れたことや、その後に叔父の孝徳天皇が滞在したことが記されています。万葉集にも有馬山の歌があり、摂津国の風土記にも「山の中の松林に塩湯が湧いている」と、ナトリウム泉のことが書かれています。
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有馬の伝説として、スクナヒコナノミコトとオオナムチノミコトが六甲山を歩いているときに、3羽のカラスの傷が水浴びで癒えていったのを見かけたことが、温泉発見のきっかけだったと伝えられています。
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オオナムチノミコトは立山に祭られている山の神様で、スクナヒコナノミコトは神々の常世の国から日本に来て医療や薬の知識を授けた神様だから、やはり有馬は山の医療の温泉だと認識されていたのです。