兵庫県稲美町で住宅が全焼し、住人の小学生の兄弟の遺体が見つかった火災で、殺人と現住建造物等放火容疑で逮捕された同居の伯父(51)が、「(兄弟の)両親が家を出るのを待って火を付けた」という趣旨の供述をしていることが、捜査関係者への取材でわかった。
現場の住宅は死亡した兄弟(12歳と7歳)と、父親、母親、伯父(母親の兄)の5人暮らし。19日深夜の出火直前、父親が仕事を終えた母親を車で迎えに外出し、両親は不在だった。兵庫県警は、同居する親族らとの間に何らかのトラブルがあり、兄弟2人だけが住宅内にいる状況を待つなど、犯行の計画性をうかがわせる供述とみて、今後動機の解明を急ぐ。
捜査関係者によると、住宅の車庫から中身が使われた形跡があるガソリン缶(20リットル用)が見つかったことも判明。伯父は「ガソリンを使って火をつけた」とも供述しており、兵庫県警は伯父がこの缶のガソリンを室内でまき火を付けたとみて、焼け跡にあった布団の燃えかすから検出された油の成分との照合を進める。ガソリンは農機具用の燃料とみられる。
逮捕容疑は19日午後11時35~40分ごろ、兵庫県稲美町の自宅で火を放ち、木造2階建てを全焼させ、就寝中だった小学6年の兄(12)と小学1年の弟(7)を殺害した疑い。