兵庫、大阪、奈良で店舗展開している関西スーパーマーケット(本部・兵庫県伊丹市)と阪急阪神百貨店を運営する流通大手・ エイチ・ツー・オー(H2O)リテイリンググループの経営統合を差し止めた神戸地裁の仮処分について、同地裁は26日、関西スーパーの異議申し立てを棄却した。
関西スーパーは棄却を不服として、大阪高裁に抗告する。なお、12月1日に予定していた株式交換による統合手続きについては同15日に延期することをすでに公表している。
神戸地裁は22日、統合案を可決した臨時株主総会の決議方法に「法令違反または著しい不公正があった」として、オーケーが申し立てた差し止めの仮処分を認める決定を出した。このため関西スーパーは24日、同地裁に決定取り消しを求める異議を申し立てていた。
この問題をめぐっては、関西スーパーが10月29日に開いた臨時株主総会で、株主の1人が投じた「白票」の扱いが争点。関西スーパーの臨時総会では、決議したH2O傘下スーパー「イズミヤ」・「阪急オアシス」との株式交換議案について、投票用紙に何も書かずに(白票で)提出した1人の株主から、本来は「賛成」する意図があったと申し出があり、経営統合に「賛成」として集計した結果、可決に必要な3分の2を僅かな差で上回った。
これについてオーケー側は、「一度集計が終わった後で、白票を投じていた株主の申し出で会場での投票内容を棄権から賛成に切り替えた」と主張。 「棄権」や「無効」として扱うべきだとしている。