2021年5月、神戸市北区の畑に転落した乗用車のトランクから、コンビニエンスストアの男性店長(当時62)の遺体が見つかった事件で、神戸地検は3日、強盗殺人・死体遺棄容疑で逮捕、送検された同店の元アルバイト店員の男(28)について強盗致死罪に切り替えて起訴した。証拠関係から殺意の認定は難しいと判断したという。また、死体遺棄容疑については不起訴とした。
神戸地検は男の犯行当時の精神状態を調べるため、6月11日から11月29日まで鑑定留置していた(期間は1回延長)。その結果、刑事責任能力は問えると判断した。
起訴状によると、男は2021年5月5日午後5時37分ごろ~同6時25分ごろ、神戸市北区の駐車場で、男性店長の鼻や口などを粘着テープで巻き、乗用車のトランクに押し込み、現金約13万円や長財布などを奪ったとされる。
男はその後、この乗用車を運転、操作を誤って畑に転落させた。店長の死因は窒息死だった。
捜査関係者によると、男は無免許で、ハンドル操作がうまく行かずに畑に転落したという。男は逮捕前の任意の事情聴取に事件への関与を認めた。その際「事件に関わった男がもう1人いる」と説明したが、そうした人物は現在も確認されていない。