映画監督で劇団ゴジゲン主宰の松居大悟が、1月29日放送のラジオ番組『武田梨奈のこだわりな時間』(ラジオ関西)にゲスト出演。代表作の1つ、テレビドラマシリーズ『バイプレイヤーズ』(テレビ東京系)のエピソードを語った。
脚本家、演出家、監督、劇団ゴジゲン主宰、俳優、作家、MVディレクター、ラジオパーソナリティーなど……、多彩な活躍が際立つ松居。ただし、今回のラジオでは、10年来の付き合いのある武田を前に、「多彩だなといわれると、落ち込んでしまう。結局1コのことにしぼれないんですよ。勝負をかけられなくて、そこまで自信がない。逆になにもできないからいろんなことをやっているんですよね。いまも不安です……」と、本音を吐露する。
それでも、多方面にわたって存在感を示し、2月11日から公開される、池松壮亮と伊藤沙莉主演の映画『ちょっと思い出しただけ』でもメガホンをとる、松居。そんな彼の代表作の1つといえば、メイン監督を務めたテレビドラマシリーズ『バイプレイヤーズ』だ。ただし、この作品は、企画ではなく、キャストありきでスタートしたものだったという。
「これは2017年から始まったんですが、(前年の)2016年のとき、プロデューサーから、大杉漣さん、田口トモロヲさん、遠藤憲一さん、寺島進さん、松重豊さん、光石研さんの写真がならんだ企画書がきて、『松居さん、こういうのあったらやりますか』と。やるに決まっているけど、主役系じゃないバイプレイヤーだからこそ一番忙しいもので、いろんな作品(の間を)ぬってやっているから、集まるわけがないと(思っていた)。『集まったら、そりゃやりますから』と言って。すると(プロデューサーから)『集まりました』と言われて……」
「6人はもともとミニシアターとかで舞台挨拶したりしたとき、いつか真ん中のやつ(主役)やりたいよねと、ことあるごとに言っていて、それをプロデューサーが読んでいて、やりませんかと(提案した)。(俳優陣も)『みんながやるならやる』と、みんなが答えて。そういうところから始まったんですよ」
一人ひとりが個性的な俳優陣。その役柄設定は、架空の人物ではなく、本人にしているのも特長的なドラマだった。
「この6人に何の演技をやらせたらおもしろいんだろうと思ったとき、もう本人役しかないんじゃないかと思って。当時、フェイクドキュメントがけっこう流行っていたけど、そうではなく、本人役のドラマとしてやろうと。本人たち6人がなぜか一堂にいる設定にしなければいけないけど、どうしようかというところで、シェアハウスに暮らすと。なんでシェアハウスに暮らしているのかといえば、“七人の侍”として、7人目の役者・役所広司がくるのを待っているという設定にしたのですが、(ドラマは)脚本家、プロデューサー、僕とか、みんなでコツコツ考えて作っていった感じですね」
6人の日本を代表する“バイプレイヤーズ”とは、この作品で初めて仕事をしたという、松居。撮影中は緊張の連続だったと打ち明ける。
「僕は当時20代から30歳くらいで、そのくらいの世代の人たちが見たくなる『彼ら』を撮ってほしいというのがあったんです。そういう、いろんな縁があって(監督になった)。緊張? 本当にずっと帰りたかったです……(苦笑)。最初こわいし、あの6人が揃ったなか、変な事務所につれてこられたみたいな感じで……。6人そろうから、言うことを聞いてくれないし、台本も全然守ってくれないし、やりたい放題なんですが……」
『武田梨奈のこだわりな時間』
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