ラジオの「電波」の不思議 AMとFMの違いは? 関西のラジオを九州でも受信できる? | ラジトピ ラジオ関西トピックス

ラジオの「電波」の不思議 AMとFMの違いは? 関西のラジオを九州でも受信できる? 

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現代社会では、さまざまな電波が飛び交っています。その中で、ラジオの電波にはどのような特徴があるのでしょうか。今回は、ラジオの電波の特性や不思議について、普段はラジオを陰で支えている技術スタッフが、ラジオ番組のなかで解説しました。

ラジオ関西の送信アンテナ(写真:ラジオ関西)

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 最近では、インターネットを通じてラジオが聴ける「radiko(ラジコ)」の有料サービス「ラジコプレミアム」で、全国どこの放送局の番組でも、エリアを気にせず聴くことができるようになりました。しかし今でも、ラジオの受信機を使ってラジオを遠距離受信し、「ベリカード」(※1)を集めているという人もいるでしょう。

 そんな、ラジオの遠距離受信について、兵庫県神戸市にあるラジオ関西にリスナー(以下、Aさん)から報告と質問が届きました。

「先日、大阪から九州まで飛行機に乗ったときの出来事です。窓際の席でポケットラジオを聴いていたのですが、AM放送は雑音ばかりで聴こえませんでした。一方、 FM補完放送はとても綺麗に受信できました。驚いたのは、その距離です。大阪のFM補完放送は、明石海峡大橋を過ぎても、瀬戸大橋を過ぎても、しまなみ海道を過ぎても、まだ綺麗に聴こえていました。(中略)ラジオ関西をはじめ、多くの関西の局を、九州はるか上空で受信できました。謎すぎます。この仕組み、詳しく教えてください」。(Aさん)

 ラジオ関西のAM放送は、滋賀や和歌山、奈良、岡山でも受信して聴くことができます。しかし、「受信エリア」とされる範囲よりもはるかに遠い九州で受信することは、本当に可能なのか? ラジオ電波の特徴を交えて紹介します。

淡路島にあるラジオ関西の送信所。送信アンテナが隣接(写真:ラジオ関西)

 大地にアースをとった送信アンテナを使用するAM放送の電波は、「地表波」(大地、海面に沿って伝搬する電波)がメインです。ラジオの聴取可能エリアは「放送受信できる十分な電波の強さがあるかどうか」を計算から求めていますが、実際には、山や建物などが障害物となって電波が届きにくい、AMラジオの周波数帯域周辺にノイズがあるなど様々な原因により、エリア内でも受信できない場合もあります。

 飛行機内は電子機器が多く、機体自体が電磁波を遮断する構造になっていますので、雑音に弱いAMラジオは、Aさんが経験されたようにノイズが多く、受信しづらい場合が多いです。ただ、機内の窓際の席や、ラジオの方向次第では受信できることもあります。


ラジオ関西技術センターがお送りするこの番組で、あなたの質問が読まれるかも……!
興味がおありの方は、番組にハガキでおたよりください。お待ちしています。
宛先⇒ 〒650-8580 ラジオ関西『おしえて!サウンドエンジニア』係



【放送音声】2022年2月6日放送回

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