【ピンチをチャンスに】突っ張り棒が主力の会社 情報発信の方法で活路「コミュニティーを増やす」 | ラジトピ ラジオ関西トピックス

【ピンチをチャンスに】突っ張り棒が主力の会社 情報発信の方法で活路「コミュニティーを増やす」

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 職場・学校・家庭と人生の様々な場面で思わぬ落とし穴に落ちることがあるもの。そんなときに、「このピンチをどうやって乗り越えればいいのか」、さらには「ピンチをチャンスに変えることができればいいのに」と誰もが一度は思ったことがあるはず。

 ラジオ番組『ピンチのあとにチャンスあり!』(ラジオ関西)では、そんな幾多のピンチをそれぞれ逆転の発想、挑戦する姿勢で乗り越えてきた、ひょうご・関⻄の企業経営者たちにスポットを当て、逆転の発想、挑戦する姿勢を生み出すヒントを探った。

 日本に突っ張り棒を広めたパイオニアでもある「平安伸銅工業株式会社」で社長を務める竹内香予子さん。一時は模倣商品との価格競争に陥り、同社の業績が悪化したこともあったなか、そこから脱するために、竹内さんが動く。

「平安伸銅工業株式会社」社長の竹内香予子さん(写真提供:平安伸銅工業株式会社)

☆ ☆ ☆ ☆ ☆

 1952(昭和27)年創業、大阪市西区に本社を構え、2022年で70周年を迎える平安伸銅工業。突っ張り棒をはじめ、鉄パイプとプラスチックを組み合わせた簡易的な収納具などを製作する同社だが、実は創業当初から突っ張り棒を作っていたわけではないという。「戦後はアルミサッシを作り、量産を先駆けてやっていました。時代に合わせてベストな商品を送り出す、そんな会社です」。

 現在の竹内さんは3代目。ショートカットにトレードマークの眼鏡が特長の、1982年生まれのまだ若い女性社長だ。初めは会社を継ぐ気がなかったそうで、ジャーナリストを目指し、念願の新聞記者となるも、わずか3年で退職。自身の転職のタイミングと父親の体調不良が重なり、会社を手伝ってほしいと家族から言われたことが、同社に入るきっかけとなった。

「社会に出て会社勤めをするのは優秀な方がたくさんいるので誰でもできるけれど、家業というのは代わりがいないことに気づかされて。自分の家業に尊さやリスペクトが湧いてきて家業を手伝おう、できれば継ごうと思ったんですよね」

 入社後、竹内さんは厳しい会社の現実に直面する。模倣商品との価格競争で、販売個数を維持していても売り上げは減少。何より「平安伸銅のものがいい」という、指名買いしてくれるユーザーさんとの関係ができていないことに危機感をもった。シンプルな商品がゆえに付加価値をつけることが難しい。さらに突っ張り棒以外の柱となる商品がないことも悩みの種だったという。

「いかに平安伸銅を指名買いしてもらえるかと考えたときに、情報発信して私たちの会社や商品を好きになってもらう方法があるんじゃないか、と考えたんですよね。コミュニティーを作って、ファンの方と一緒に突っ張り棒文化を広げていくというやり方です。突っ張り棒が好きな人が増えれば、結果的にそのコミュニティーを主催している平安伸銅という会社を知り、めぐりめぐって平安伸銅の商品を買ってくださるようになるんじゃないかと思って。あえて突っ張り棒を買ってほしいという情報を流さず、お客様が必要な情報を発信するという取り組みを始めたんです」


※ラジオ関西『ピンチのあとにチャンスあり!』2021年11月12日・19日放送分より

◆平安伸銅工業
【公式HP】
【「つっぱり棒研究所」】

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