【ピンチをチャンスに】神戸の音楽を牽引するライブハウス「チキンジョージ」 息の合った兄弟が乗り越えてきた42年の軌跡 | ラジトピ ラジオ関西トピックス

【ピンチをチャンスに】神戸の音楽を牽引するライブハウス「チキンジョージ」 息の合った兄弟が乗り越えてきた42年の軌跡

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 職場・学校・家庭と人生の様々な場面で思わぬ落とし穴に落ちることがあるもの。そんなときに、「このピンチをどうやって乗り越えればいいのか」、さらには「ピンチをチャンスに変えることができればいいのに」と誰もが一度は思ったことがあるはず。

 ラジオ番組『ピンチのあとにチャンスあり!』(ラジオ関西)では、そんな幾多のピンチをそれぞれ逆転の発想、挑戦する姿勢で乗り越えてきた、ひょうご・関西の企業経営者たちにスポットを当て、逆転の発想、挑戦する姿勢を生み出すヒントを探った。

 神戸の老舗ライブハウス「チキンジョージ」(神戸市中央区)の代表取締役を務める児島進さんと専務取締役・児島勝さん。開業から42年、さまざまなミュージックシーンとともに時代を走り抜けてきた兄弟に訪れた「阪神・淡路大震災」と「新型コロナウイルス」という大きなピンチ。息の合った2人は、その人柄と人望で状況を打開していく。

「チキンジョージ」の児島進さんと児島勝さん

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 国内外の著名なミュージシャンの公演を開き、神戸の音楽を牽引してきたチキンジョージ。1980年9月に開業し、今年で42周年を迎える、港町屈指のライブハウスだ。父親が経営していたキャバレーを一部改装した児島さん兄弟は、「若者が音楽や舞台が楽しめるレストラン」として事業をスタート。チキンジョージの名は、アメリカのテレビドラマ『ルーツ』の登場人物が由来だという。

 開業当初は漫才が行われていた舞台は、テレビ取材をきっかけに徐々に音楽へとシフトチェンジ。矢沢永吉、Char、大江千里、平松愛理など、チキンジョージのステージを踏んでいった有名ミュージシャンは数知れず。関西のライブ会場といえばチキンジョージといわれるほど、憧れの場に変貌を遂げていった。

現在のチキンジョージ店内(写真提供:チキンジョージ)

 進さんと勝さんは2つ違いの兄弟。代表を務める兄・進さん20歳、弟・勝さん18歳の若さでライブハウスを開業したことで、当初は「子どもが始めたライブハウス」と揶揄されることもあったそう。「毎日が綱渡り状態で、ピンチの連続」と明るく振り返る2人だが、42年の長い歴史の中で大きなピンチは2度訪れた。

 1つは、「阪神・淡路大震災」。家業のキャバレーを廃業し、当時2階にあったライブハウスを1階にする大規模改装を行った矢先に震災に見舞われ、改装したものが全壊。当時のことを進さんは、「チキンジョージの前で2人でしゃがみこみ、被害にあっている周囲の景色を見ながら『大変なのは自分たちだけではない、何とかなるだろう』と、冷静にこれからどうしていくかを考えました。余計なことは深く考えないようにしましたね」と語る。

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