通信の発達などで注目されているのが「陸上無線技術士」。今回は、その資格やラジオ局での技術関係の仕事について、普段はラジオを陰で支えている技術スタッフが、ラジオ番組のなかで解説しました。
☆ ☆ ☆ ☆ ☆
ラジオ局の仕事というと、ラジオDJやアナウンサーを思い浮かべる人が多いと思いますが、他にも、ディレクターやミキサー・エンジニア、スタジオの外では営業部、報道部、総務部などさまざまな部署で、いろいろな役割を持った人たちが働いています。中でも、放送の技術全般を担当しているのが 「技術部」という部署です。
ラジオ関西(神戸市中央区)の技術部は「技術センター」という名称で、 AM・FMの電波塔の管理はもちろん、放送プログラムや、番組・CMのデータの管理、スタジオや機材のメンテナンスに加え、生放送やラジオカー中継での音声技術、ラジオを聞いているとたまに登場する「ミキサー」と呼ばれる仕事なども担当しています。オンエアスタジオが「サブ(副調整室)」と呼ばれるのに対して技術センターのある部屋は「マスター(主調整室)」という言い方もします。
ラジオ局の技術スタッフにもさまざまな役割の人がいます。とりわけ“放送技術のスペシャリスト”と言われるのが、陸上無線では最高峰の資格である「第一級陸上無線技術士」を持っている人です。
陸上無線技術士は総務省の無線従事者資格の一つで、国家資格です。第一級陸上無線技術士は、放送局や電気通信業務用などの固定局、無線測位局などすべての無線局の無線設備の技術的な操作を行うことができます。わかりやすくいうと、ラジオやテレビ局、電気通信事業など陸上にある無線設備の技術操作ができるということです。
同局の技術センターには、3人の第一級陸上無線技術士がいます。ラジオ局やテレビ局を開設するには、この資格を持つ者がいなければなりません。また、この資格保持者がいなければ、電波の送信機の技術操作を行うことはできません。同局では、3人の無線従事者免許証は金庫の中に大切に保管されているほどです。ただ現在は、主任の無線技術士の指導のもと、無資格の人も操作に携われる制度があります。
◆「陸上無線従事者」について(公益財団法人 日本無線協会HPより)
ラジオ関西技術センターがお送りするこの番組で、あなたの質問が読まれるかも……!
興味がおありの方は、番組にハガキでおたよりください。お待ちしています。
宛先⇒ 〒650-8580 ラジオ関西『おしえて!サウンドエンジニア』係
【放送音声】2022年4月3日放送回