ロシアによる軍事侵攻が続くウクライナから兵庫県内への避難者を対象に、兵庫県は生活支援金として1年間で最大214万円を支給する。
今後さらに避難者が増えることが考えられ、就労や教育、福祉、医療分野などのサポートのため、7日には支援プロジェクトチームを立ち上げた。すでに3世帯が県内の公営住宅などで生活を始めている。
兵庫では全国に先駆け、3月10日からふるさと納税制度を活用した寄付の受け付けを始めた。4月7日までに約2500件、計約3700万円が寄せられた(県内・県外を含める)。
こうした支援に、ウクライナのセルギー・コルスンスキー駐日大使が8日、兵庫県公館(神戸市中央区)を訪れ、齋藤元彦兵庫県知事へ感謝の意を示した。
齋藤知事は避難者の住居や日用品、生活費などの支援を約束し、阪神・淡路大震災の経験から、避難者の心のケア、サポートを十分に果たしたいと誓った。神戸東部新都心・HAT神戸に「心のケアセンター」(神戸市中央区脇浜通)もあり、こうした施設も活用したいと話した。
コルスンスキー大使は「ウクライナは非常に悲惨な状況であり、第二次世界大戦以来の戦争と受け止めている。500万人以上のウクライナ人が避難せざるを得ない。すべての資産や家族を失い、心のストレスを感じている」などと状況を説明した。
現在、約400人のウクライナ人避難者が日本に渡っているが、ウクライナ全体での避難者の半数(約250万人)がポーランドへ身を寄せており、日本への渡航を希望する避難民を支援するため、日本政府はポーランドとの直行便の座席を借り上げるなどの支援を表明している。これを機に「日本政府はさらに受け入れを進めてほしい」と期待を寄せた。
そして「戦争は必ず終わる。こうした援助や友好関係がポジティブなエネルギーとなり、将来的に文化、科学技術、経済など各分野での交流へのステップとなれば」と述べた。
さらにウクライナ西部・リヴィウ州の歴史地区が世界文化遺産に登録され(1998年登録)、兵庫には同遺産・姫路城(1993年登録・日本初)があることから「リヴィウ州と兵庫県との友好関係を深め、バレエを含めた文化交流などを進めたい」とも話した。