戦後、日本と韓国に国交がなかった時代にも存在した“音楽の交流”。そこから、演歌、ポップスや、BTSのルーツになった伝説のアイドルまで、昭和の日本で流行した「コリアンポップス」、いわゆる「K-POP」の数々がありました。それらを、シンガーソングライター・音楽評論家の中将タカノリと、シンガーソングライター・TikTokerの橋本菜津美が一挙紹介します。
【中将タカノリ(以下「中将」)】 最近、BTSが世界的に流行していますが、菜津美ちゃんはK-POPは通りましたか?
【橋本菜津美(以下「橋本」)】 高校生の頃、少女時代やKARA、東方神起がブレイクして、みんなでカラオケで歌ったりダンスを真似したりしていました!
【中将】 あのブームが約10年前、さらにそこから約10年前の2003年には「ヨン様」ことペ・ヨンジュン主演のドラマ『冬のソナタ』が大ヒットしましたね。
若い世代の人はK-POPなど韓流ブームの始まりはそのあたりだと思っているかもしれませんが、実はもっともっと昔から日本と韓国には音楽の交流がありました。少なくとも1960年代には韓国の楽曲が日本でもヒットしています。
【橋本】 全く知りませんでした……スタッフさんから「今回のテーマはK-POP」と聞いて「(この番組が)『昭和卍パラダイス』やのに、めっちゃ平成やないかい!」って突っ込んでいました(笑)。
【中将】 たとえば……これは韓国というか北朝鮮で生まれた曲なんですが、「イムジン河」という曲が1968年にザ・フォーク・クルセダーズに歌われ話題になりました。
【橋本】 この曲、聴いたことあるわと思ったら、うちのおじいちゃんのカラオケの十八番でした! いつも泣きながら歌って音程めちゃくちゃなんで、今日初めて正確なメロディーがわかりました(笑)。
【中将】 おじいさんにどんな思い入れがあるのか興味深いですが、この曲の日本語詞は朝鮮半島の南北の分断を歌った内容なので、たしかに物悲しいものがありますよね。