みなさんは「HACCP(ハサップ)」という言葉を目に、耳にしたことはありますか? 2021年6月からすべての食品等事業者に義務化された、衛生管理方法の呼び名です。HACCPとはどういうものか、くわしい人に話を聞きました。
解説してくれたのは、生活協同組合コープこうべ商品検査センターの猿渡耕典さん。猿渡さんは、同センターでの経験を踏まえながら次のように説明しました。
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■「HACCP」とは?
HACCPは、安全で衛生的な食品を製造するための管理方法の1つです。「危害分析」の“Hazard”と“Analysis”、「重要管理点」の“Critical”と“Control”、“Point”の頭文字をとって「HACCP」と呼ばれています。
概要としては、(1)食材や調理工程に潜む危害(食中毒や異物混入など)をもたらす要因をあらかじめ想定し、(2)普段の調理工程や衛生管理の中で危害を防ぐ手段をきめ、(3)手段を実行した記録をつけることで、問題ある製品の出荷を未然に防ごうというものです。
■これまでの管理方法と何が違うの?
従来の方法では、出荷前の最終製品から抜取(ぬきとり)検査することで安全性の確認をするのが主流でしたが、HACCPでは、原料から製品になるまでの工程の中から重要なポイント(重要管理点)を決め、継続して監視することで製品の安全性を保証します。重要管理点は、原料や製造工程中で、ここの管理ポイントをミスすると不良品ができてしまう(問題が起きてしまう)といった管理項目になります。
2018年の食品衛生法の改正に伴い、2021年の6月から、食品の製造・加工・調理・販売等を行うすべての食品等事業者は、HACCPの衛生管理手法に沿って製造することが義務化されました。コープこうべの食品工場や店舗でも、HACCPに沿った衛生管理を導入し、食品の加工を行っています。
※ラジオ関西「コープ・スコープ はかるたいせつ」(『三上公也の朝は恋人』内)2022年4月26日放送回より
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