"みかん食べ過ぎて手が黄色”を解消 和歌山生まれの「有田むき」 農家が明かす「おいしさとの関係」 | ラジトピ ラジオ関西トピックス

"みかん食べ過ぎて手が黄色”を解消 和歌山生まれの「有田むき」 農家が明かす「おいしさとの関係」

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 5月から10月にかけては、寒い時期に温室で育てられた「ハウスみかん」が市場に出回ります。みかん好きにはうれしいものの、好きがゆえ幾つも食べるため、皮をむいているうち、いつの間にか手が真っ黄色になってしまう……というのは、あるあるですよね。

 みかんの有名な産地の一つと言えば和歌山県。秋口から冬が旬の「温州みかん」の収穫量・消費量が全国でもずば抜けて高く、特に有田(ありだ)市で生産される「有田みかん」は、地域ブランドとして広く知られています。

和歌山県で代表的な「有田みかん」(提供=伊藤農園)

 そんな和歌山の県民の間には「有田むき」と呼ばれる特殊なむき方が伝わっているといいます。そこで、和歌山県で120年以上にわたって柑橘類の生産や加工をおこない、公式サイトで『みかんな図鑑』というコラムを発信している「伊藤農園」(和歌山県有田市)に話を聞きました。

約15種の柑橘類を生産する伊藤農園(提供=伊藤農園)

 ズバリ「有田むき」とは、皮付きのみかんをそのまま果頂部(ヘタがない方)から指を差し込んで縦半分に割り、その状態からさらに半分に割る……という至ってシンプルなもの。果頂部の皮を繋げたまま4等分にし、皮部分を持って口に運び、皮からはがすようにして食べます。簡単なのに手を汚さずに食べられる、なんとも効率的な「有田むき」。和歌山県の家庭ではポピュラーな方法なんだとか。

まず、みかんのへた部分を裏にして半分に割る
半分に割ったみかんをさらに割り、4等分にすれば完成

「一説では、農家さんが作業中にみかんを食べる際に生まれたといわれています。汚れた軍手をしたままでも、みかんの実に直接触れることなく食べられるためです。和歌山県のようにみかん栽培が盛んな地域だからこそ生まれたのかもしれません」(伊藤農園)

 きれいに4等分できるのでシェアもしやすく、外皮が全て一枚でつながっているため、こまごまとした破片が出にくいなどメリットも多いため、家庭にも広く浸透しているのだそう。

「みかんの栽培は、和歌山県・有田の一大産業ですので、生産量も桁違いです。そのため、冬になると自然に和歌山県民の家にあるのが、みかんかもしれません。といっても、和歌山県ではみかんを『買う』のではなく『もらう』もしくは、自分たちで『作っている』というケースがほとんどですね」(伊藤農園)


◆伊藤農園
〒649-0435 和歌山県有田市宮原町滝川原498-2
【公式サイト】

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