気象庁が4月19日に発表した最新の3か月予報によると、5月から7月にかけて、西日本の気温が平年より高くなる確率は40~50%とのこと。今年の夏は暑くなることが予想されます。そこで気を付けたいのが「熱中症」です。
今回は、熱中症の現状や予防策、対処法などについて、生活協同組合コープこうべ商品検査センターの羽田野達也さんと、神戸市健康局健康企画課 疾病対策担当係長の山崎恵理さんに解説してもらいました。
☆☆☆☆☆
――今年の夏は暑くなるようです。
【山崎恵理さん(以下、山崎さん)】 コロナ禍によるマスク着用で、▼皮膚からの熱が逃げにくくなる、▼喉の渇きを感じにくくなる、▼気づかないうちに脱水状態になるなど、体温調節がしづらくなってしまうため注意が必要です。
――発熱の際に、コロナによるものか迷うこともありそうです。
【山崎さん】 熱中症はコロナと共通の症状があるため、コロナを疑う対応が必要になるなどして、救急車での患者の搬送をひっ迫させるおそれもあります。
――緊急搬送に影響を与えないためにも、熱中症対策が重要ですね。神戸市での、熱中症による搬送は?
【羽田野達也さん(以下、羽田野さん)】神戸市のホームページにある熱中症による救急搬送件数の情報によると、令和2(2020)年度の件数は760件でした。高齢者の方の割合が毎年多い傾向にあって、65%が65歳以上の高齢者でした。
【山崎さん】 高齢者は暑さ・喉の渇きが分かりにくく、体温の調節機能が低下していることもあります。また、子どもは体温の調整機能がまだ十分に発達していないことや、身長が低い分、地面からの照り返しの熱を受けやすいため、それぞれ十分な注意が必要です。
――子どもと高齢者は特に要注意ですね。熱中症予防のための対策は?
【山崎さん】 特にお願いしたい予防対策は、3つあります。
(1)こまめな水分摂取
一度にたくさん飲むよりも、こまめに少しずつ飲むことが大切。1日に最低1.2リットルを目標に水分を摂取したい。
(2)暑さをさける
エアコンを上手に使用したり、涼しい服装をこころがけたりするなど。気温が高い日は、室内でも熱中症の危険が高まるため、真夏日には積極的にエアコンを活用する必要がある。
(3)屋外で、人と距離をあけられる時にはマスクをはずす
コロナの感染対策を忘れずとりつつ、屋外では、ほかの人と十分な距離がとれる時には、マスクを外すことも大切。