新型コロナウイルス対策をめぐり、専門家グループが19日、マスク着用に関する見解案を厚生労働省の助言機関に示した。屋外でのマスク着用の考え方を初めて整理し、明確にした。夏に向けて熱中症のリスクが高まる中、着用の是非が議論となっていることを踏まえたもの。欧米のようなマスクの着用緩和に期待する声もあるが、マスクのメリットを挙げる人も多い。神戸・大阪で、家庭と育児、仕事を両立する女性(30~40代)に聞いた。
「二極化すると思う。今までのような暮らしはないにしても、それに近い生活パターンに近づけたいという人、コロナを気にしながら控えめな行動を取る、自分自身で考えて行動するようになりつつある」
「正直、今年からインフルエンザ並みの対応ができればと思う。ずっと議論されているが、そろそろ2類相当から5類への変更を考えてもいいのでは」
現在、新型コロナウイルスの感染症法上の扱いは、結核などと同じ「2類相当」だが、これを季節性インフルエンザ並みの「5類」に引き下げることにより、保健所の負担が軽減される一方、都道府県知事の判断で自宅療養や、外出自粛の要請などができなくなる懸念から慎重論もある。
「マスク生活が長くなり、インフルエンザにかかりにくい、あるいは、風邪を引かなかったという声もよく聞く。現状、コロナがゼロになるとは思わないが、ウィズコロナという考え方は根付いてきている。必要に応じてマスクを使い分けることが出来るようになった。どうしても気になる人はつける、気にならない人は周りに人がいないのを見て外す、こういう考え方ができればと思う」
「19歳の娘が肌荒れがひどくなり、マスクを外せなくなってしまった。来年、成人式を迎えるのを前に、屋外での活動に消極的になっている。女性の場合、年代問わず、そうした悩みを抱えているのではないか」
「外出自粛期間が多く、おうち時間にお肌に手をかける時間が増えた。ただ、化粧している時にマスクを外せない。マスクを着脱することで化粧が崩れてしまうことがよくあるから」
「コロナ禍でマスクをつけるようになって入学した中高生は、『マスクを取ることが恥ずかしい』という感覚が身についてしまったようだ」
「新学期を迎えて、担任の先生が、生徒の顔を覚えられない、生徒の目元しかわからず、外しても本人かどうかわからないこともある」とさまざま。
専門家グループは、「人どうしの距離が保てる屋外ではマスク着用を不用」との考え方を改めて示した。そして屋外で人との距離が十分に取れない場合でも、徒歩で移動する際などに周りで会話が少ないか、ほとんどなければ「必ずしも必要ない」とした。未就学児については「着用を求めないこととする」などとしている。また政府も、推奨を取りやめる方向で検討している。