湿度が高くなる梅雨の時期。衣類の工夫で快適に乗り切りたいもの。風通しが良く、肌にまとわりつかずにいつもサラっとしているため梅雨時にぴったりな生地がある。インドネシアのジャワ島と周辺の島々で作られてきた「ジャワ更紗」。伝統的な技法“ろうけつ染め”で染められた布のことをという。
日本の気候にも合いそうなジャワ更紗について、同生地の服を取り扱う洋服店「YANTY(ヤンティー)」(神戸市東灘区・六甲アイランド)のオーナー・小豆美保さんに聞いた。
「ジャワ更紗には様々な柄がありますが、インドネシア国内でも地域によってデザインに特色があります。中部では茶褐色と藍を主体とした抽象的なパターン文様が多いです」と小豆さん。
柄によっては、かつては着ることのできる人が限定されていたそう。
「刀をイメージしたS字状の模様のものは、今では一般の方も着ますが、昔は王族の人だけが着ることができるものでした。『ガルーダ』という、鳥の羽を表した典型的な柄もあります。北部では色彩豊かな、動物や花柄のものが多く、西部は中国から渡ってきた雲の柄が多いです。こうしたものを見比べてみてもらうのも楽しいと思います」(小豆さん)
サラっとした生地のため、ジメジメする梅雨時には特に適しているという。
「私の娘は、ネットに入れて洗濯機で洗ってしまいますが、洗濯後もすぐに乾きます。アイロンをかけなくても、しわが目立たずに着られますよ」と、とても扱いやすそう。「孫用のハーフパンツもリクエストされて作ったのですが、汗をかいたり泥で汚れたりしてもすぐに洗えて、さらにすぐ乾くので保育園にもはいて行っているみたいです」(小豆さん)
ジャワ更紗の着こなしについて、娘の塩崎愛香さんが教えてくれた。