コロナ禍で家具を見直す人も増えた。「カーテンやファブリックの問い合わせも増加しています」と話すのは、「大丸インテリア館ミュゼエール」(神戸市東灘区・六甲アイランド、以下、ミュゼエール)の曽我晶子さん。そこで曽我さんに、「ファブリック」のインテリアでの活用方法などについて聞いた。
ミュゼエールでは、およそ4000平方メートルという広いスペースに様々な家具が揃う。そのスタッフとしてインテリアコーディネーターの資格を持つ曽我さんに、まずは、ファブリックとは何なのか解説してもらった。
「カーテン、椅子張り、カーペットといった布製品全般を指します。機能性と装飾性を兼ね備えた、住空間になくてはならないもので、毎日何回も触る生地は、快適に生活するためにとくに重要なアイテムです」(曽我さん)
おしゃれな部屋を目指したい場合に、ファブリックをどのように取り入れればいいのかのを聞くと、「大きな面積を占めるカーテンなどは、強いカラーを避けましょう」と曽我さん。部分的に強いカラーやデザインの生地を選び、スパイスのように取り入れるとおしゃれ感が増すという。
例えば、ベーシックな色目のソファに、アクセントとして目を引くデザインやカラーのクッションを置いたり、個性的なカーペットをソファの前に置いたりすることでアートのようなリビングルームにする、といった具合だ。家具や照明を変えようと思うと大掛かりになってしまうが、ファブリックをうまく使えば簡単に部屋のイメージを変えることができるのが利点だという。
ミュゼエールでは、国内・国外から仕入れた数十種類のファブリックを扱っている。中でも曽我さんがとくにおすすめするのは「FISBA(フィスバ)」。1819年にスイス・サンガレンで創業した、欧州でも屈指の長い歴史を持つ名門ブランドだ。
経営には、6世代にわたり、創業家・フィッシュバッハ家が携わっている。外部から経営者を迎えないのは、経営を独占するためではない。フィッシュバッハらしさを維持するには、創業家が代表を務めるのが唯一の方法と考えているからだそう。