時計を見て、時刻を知ることは、現代社会においてはとても簡単なことです。腕時計は、その「時刻を知る」方法の一つですが、そもそも人類が時刻を知ろうとし始めたのは、限りなく大昔のことです。時計はどのようにして生まれ、どのようにして現在のように、手首に巻かれるに至ったのでしょうか。その歩みについて、登録者数が5万6千人を超える「腕時計YouTuber」であるRYさんが、『やさしい腕時計』(ラジオ関西Podcast)で解説しました。
◆日時計→水時計→砂時計と変化する
諸説ありますが、歴史上で最初の時計は紀元前4000年頃の「日時計」と言う説が有力です。これは歴史の教科書で見たような、地面に垂直に立てた棒の影の位置で時間を測定するものでした。北半球であれば、その影は時計回りに動きます。
時計の針が右回りなのは、この日時計の影の動きから来ていると考えられています。しかし、日時計は雨の日や夜間は使えないというデメリットがありました。
そこで、次に生まれたのが「水時計」です。鉢植えのような形をしていて、容器の下部に穴を開けて水を垂らし、落ちた水の量で時間を測定する仕組みです。日本では、天智天皇が水時計を使って鐘を鳴らし、民に時を知らせたという記述が日本書紀に見られます。
この初めて鐘を鳴らした日が、671年の6月10日(太陽暦換算)だったため、同日は「時の記念日」になっています。紀元前から紀元後まで長く使われた水時計ですが、全くデメリットが無かった訳ではありません。
まず、暑い日には水が蒸発してしまいますし、寒い日には水が凍ってしまうため、穴から水が出ません。揺れるなどした場合は、水が器からこぼれてしまう事もあります。そこで、天候に左右されない時計として登場するのが「砂時計」です。