小学校の授業で使用していた「算数セット」。懐かしいと感じる人もいるのではないでしょうか。ラジオ番組『Clip』(ラジオ関西、月―木午後2時30分~)内、神戸電子専門学校の学生が独自のレポートを発表するコーナー「走れ! Clip特派員!」の2022年6月6日放送回でも話題となりました。
算数セットといえば、その名の通り算数の時間に用いる教具のこと。習字セットや画材セットに並ぶ小学校の懐かしアイテムですが、低学年の時期だけ使用する学校がほとんどなので、使っていた経験はあっても記憶がおぼろげという人も多いかもしれません。
中身は、数字ブロックやおはじき、時計やお札セットなど多彩。小学校用の教材・教具を製造販売する青葉出版(本社:広島県福山市)によると、学校に入学したばかりの子どもが視覚的に計算方法を理解できるようにという目的があるのだとか。
セット内容は算数の教科書を基準に構成されているので、学校によって違いがあります。さらに、教材・教具は4年ごとに変更されるため、同じ算数セットでも、世代によって知らないアイテムが増えている可能性も……。
低学年のみ使用するアイテムゆえ、「もったいないのではないか」との声も聞かれるという算数セット。果たして、現代でも使用されているのでしょうか。そこで、現在の教育現場をよく知る教育関係者に実態を聞いてみました。
「一部で使用している地域もあるものの、今では、使用されていない地区も増えているようです。ただし、数字ブロックは算数の授業で不可欠な教具なので、授業中のみ貸し出している学校もあります」(関係者)
残念ながら、算数セットを使った授業は減少しつつあるようです。そのかわり、文部省による「GIGAスクール構想」を受け、算数を含めた授業にタブレット端末を取り入れる学校も増えているのだとか。
「授業の最後に実施する練習問題や朝の自習時間の一環として、ドリル機能を使った計算などを端末でおこないます。また、端末を自宅に持ち帰ってもいい場合は家庭学習に使うこともあります。問題をクリアすると、画面上でメダルを獲得できる機能も備わっており、児童にやる気を起こさせる工夫もされています」(関係者)