創部74年目で夏の甲子園に初出場した、兵庫代表の社(やしろ)高校が、2年連続30度目の出場、岐阜代表の県岐阜商に10対1と大勝した。センバツではベスト4に進出したことがあるが、夏では初めての勝利をおさめ、2回戦に進んだ。次戦は14日に予定されている大会9日目の第2試合で、東東京代表の二松学舎大付と対戦する。
社は初回に3番・福谷宇楽(うた・3年)の右前適時打で先制。2回には再び、福谷が中前に2点適時打を放つなど、打者一巡の猛攻で一挙4得点。3回にも3点を加え、この時点で8-0と大きくリード、試合を決定づけた。
大量援護をもらった先発の堀田柊(しゅう・3年)は、9回6安打1失点で完投。終わってみれば、社は13安打10得点と、県岐阜商を打力で圧倒した。
社の山本巧監督は、「県岐阜商の状況(新型コロナウイルスの集団感染により、登録メンバー18人中10人を入れ替え)が報道で分かっていたので、複雑な思いで戦っていたが、勝ててホッとしている。ゲームセットまで気が抜けなかった」と試合を振り返った。
2安打と気を吐いた後藤剣士朗主将(3年)は、「相手への敬意を持ち、対戦できることの喜びを感じてプレーした。(自身の打撃について)地方大会ではなかなか結果が出なかった(7試合で1安打)が、調整できてよかった。」と話した。
試合終了後、社ナインは喜ぶ様子を見せず、静かに整列。対戦相手への配慮を忘れなかった。