兵庫・明石で11/12・13『第41回全国豊かな海づくり大会』 漁協の思い 同じ県で2度目の開催は日本初 | ラジトピ ラジオ関西トピックス

兵庫・明石で11/12・13『第41回全国豊かな海づくり大会』 漁協の思い 同じ県で2度目の開催は日本初

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 関西の朝の顔としてテレビなどで活躍する気象予報士・防災士の正木明がパーソナリティーを務めるラジオ番組『正木明の地球にいいこと』(ラジオ関西、月曜午後1時~。アシスタント:荻野恵美子)。2022年11月7日放送回にゲストで登場したのは兵庫県漁業協同組合連合会代表理事会長・田沼 政男さん。11/12・13に開催される『第41回全国豊かな海づくり大会』について熱い思いを語った。

 番組冒頭に、この季節おすすめの魚を聞いたところ、

「これからの旬は明石で獲れる紅葉鯛。秋に最も脂がのる時期の真鯛を指します。春の桜鯛よりも身がふっくらしているのが特徴です。ほかに三年とらふぐもいいですよ。兵庫県は日本海なら蟹、瀬戸内海では牡蠣・ワタリガニと、鍋料理にぴったりのありとあらゆる魚介が漁獲できるのでぜひ食べて欲しいですね」(田沼さん)

噛むほどに旨味が広がる、この時期ならではの美味「紅葉鯛」

 しかし、漁獲においてはさまざまな課題が立ちはだかっているという。特に問題視しているのは「海の環境変化」だ。田沼さんは真剣な表情で兵庫県下の現状を話してくれた。

「藻場が少なくなっていることで、小魚が隠れる場所がなくなり大型魚に捕食される確率が高いのです。昔は海藻もたくさん生えていて小魚がよく隠れているのを見かけましたが、今では見なくなりました。これは魚の数が少なくなってきているひとつの要因と考えられます。ペットボトルなど海に漂流する『海洋プラスチック問題』にも頭を抱えています」(田沼さん)

海洋プラスチックに絡まり命を落とす魚も多い

 また、当番組でもたびたび話題になっている「綺麗な海」についても田沼さんは言及した。

「下水処理の発達で海に流れ込む水は綺麗になっています。しかし“綺麗すぎる水”はプランクトン等を育てる栄養塩が少ないということ。そのため海自体は栄養不足となり、魚たちが育っていく環境としては厳しいものがあります」(田沼さん)

 先に述べた『全国豊かな海づくり大会』は、こうした水産資源の保護や管理、環境保全の大切さ、そして水産業の振興と発展を発信する為に毎年各地で行われ、天皇陛下もご臨席される国民的行事だ。

 今回その第41回目が11/12・13に兵庫県で開催される。兵庫県の海の環境保全への対策や取り組みが全国で注目されていることもあり、なんと全国では初の2度目。田沼さんは本大会の実行委員の副会長を務める。

「今までの大会内容は、魚の放流や栽培漁業に力を入れていました。ですが、今回は『海へ豊かな栄養分を供給し、魚の住める海にすること』をテーマにしています。兵庫県下で取り組んでいる農業者との協業による『ため池のかいぼり』や『海底耕うん』を全国に発信するとともに、力強い水産業の確立と地域の活性化に繋げる大会にしたいですね!」(田沼さん)

漁業者の切なる思いをカタチに
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