シンガーソングライターの川嶋あいがパーソナリティを務めるラジオ番組『明日への扉〜いのちのラジオ+〜』(ラジオ関西、毎月第1・2週日曜午後5時〜)。11月13日の放送では、NHK朝の連続テレビ小説『あさが来た』の原作を執筆したことでも知られる作家の古川智映子さんがゲストに登場。自身の波乱の人生を通して得た、人生の糧について語った。
高校教師を経て執筆活動に入った古川さんは、その後ヴィクトル・ユゴー文化賞を受賞。著書『小説 土佐堀川 女性実業家・広岡浅子の生涯』は、NHK朝の連続テレビ小説の歴史上、今世紀最高視聴率を記録した『あさが来た』の原案となりました。
「七転び八起きならぬ、九転び十起き」を座右の銘とした広岡浅子と同様に、古川さんも波瀾万丈な人生を送ってきたといいます。執筆を通して自らの人生を赤裸々に語ることにより、悩みと格闘する多くの人々に限りない勇気と希望を発信し続けています。
『あさが来た』の主人公でもある広岡浅子さんの生涯を書籍に残そうと思ったきっかけについて尋ねた川嶋に対し、古川さんはこのように答えてくれました。
「夫と離婚したのですが、そのときは随分と落ち込みました。『これから自分はどういうふうに生きていけばいいのか』と考え、『お手本になるような生き方をした女性はいないかしら』と思ったんです」(古川さん)
人生での最も大きなつまずきとして離婚を挙げ、「人が人を裏切るだなんて知らなかった」と当時の悲痛な思いを言葉にした古川さん。貯金はもちろんのこと、明日食べるものにも困るような生活に、当初は“つくし”や“ふきのとう”を食べてしのいでいたのだそう。
教員としての就職先を探すも見つからず、工場の作業員や清掃員として働くこととなったそうで、「お金のないことがどんなに辛いことか、というのを思い知らされました」と当時を思い返しました。
あまりにも辛い現実に、何度も命を絶とうとしたものの、その度に母の顔が頭に浮かび思いとどまったと古川さん。「母の愛情が私を引き止めたのだと思います」と、しみじみ語ってくれました。