1980年代ごろ、一大ブームを巻き起こした「ゴンドラ結婚式」。当時は、金屏風(きんびょうぶ)前の高砂席や、身長よりも高いウエディングケーキなど、きらびやかな「ハデ婚」が流行しました。なかでも、多くの会場で人気だったのが、スモークに覆われた新郎新婦がゴンドラに乗ってお色直しの登場をする「ゴンドラ結婚式」です。
現在もゴンドラ結婚式を行なっている式場は5か所ほど。維持費がかかるため、ほとんどの会場では撤去されているそうです。そんななか、令和に新たなゴンドラ結婚式を提案しているマリアージュ彦根(滋賀県彦根市)で支配人を務める宮本さんに、ゴンドラ結婚式の魅力について話を聞きました。
――ゴンドラ結婚式を始めたきっかけは?
【宮本さん】 玉姫グループの先代の社長・齋藤眞一が、ほかの結婚式場と差別化するために考案したのがきっかけです。斎藤自身が“演出好き”ということもあり、パリのオペラ座などを参考にしながらゴンドラ演出を取り入れたようです。
その後、1977年に守口玉姫殿をオープンし、日本で初めてゴンドラと結婚式を融合させた演出を誕生させました。後に梅田玉姫殿(現在のGRAN AMO TAMAHIME)、マリアージュ彦根と、玉姫グループが次々にゴンドラ結婚式を導入し、全国各地に広がりました。
――ゴンドラ結婚式も「ハデ婚」から流行したのでしょうか?
【宮本さん】 そうですね。バブルの影響もあり、盛大に結婚式を挙げられる新郎新婦が多かったです。スモークも、ゴンドラに乗って登場する新婦を“天女”をイメージして使用していました。
ほかにも、ゴンドラよりも前に流行したのが「幸せのメルヘン」です。現在でいうところの「プロフィールムービー」なのですが、当時には珍しく、ナレーションにあわせてスライドを切り替えていく、という演出が多かったですね。
新郎新婦の親御さんやゲストが号泣することが多かったため、「泣かせの玉姫殿」と呼ばれることもありました(笑)。