毎年10月1日に、生活協同組合コープこうべでは、食と健康を考えるイベント「商品検査の日のつどい」を開催しています。今回は、生活協同組合コープこうべ 商品検査センターの中川義和さんに、今年の同イベント内容について話を聞きました。
――10月1日に「商品検査の日のつどいオンライン」が公開されました。
【中川義和さん(以下、中川さん)】「商品検査の日」は、1967年10月1日、コープこうべが全国の生協に先駆けて、商品検査室を開設したことにちなんで、2017年に50周年を迎えたときに制定されました。その2017年から、「1年に1回は、食の安全について考えよう」との思いから、「商品検査の日のつどい」を始めました。
昨年は「食の新しい技術と食のリスクコミュニケーション」をテーマに、大阪公立大学の山口夕先生を講師として迎え、「食のあたらしい技術」として、ゲノム編集技術を科学的な事実をもとに、わかりやすく教えていただきました。
――「安全」と「安心」をキーワードに、食の安全についての正しい情報とは何か? そして、自分でどう考えれば良いかという「きっかけ」になるような内容でしたね。そして、6回目となった今年のテーマは「食品表示と食のリスクコミュニケーション」。講師は、消費生活コンサルタントの森田満樹さんでした。
【中川さん】森田さんは、生協も含め、さまざまなところで講演活動をされており、優しくわかりやすい語り口が好評な先生です。私たちの身近にあるさまざまな食品の表示について、わかりやすく教えていただきました。
――事前に組合員やリスナーに食品表示で日頃気になっていることや困っていることを聞いたそうですね。
【中川さん】どの食品表示を見ているかについて聞いたところ、約6割が「消費期限や賞味期限の表示」と回答しました。次に多かったのが「原産国の表示」で、約5割が見ているという結果でした。
ただ、消費期限と賞味期限の意味や違いについて、よくわからないという意見や、原産国表示や原料原産地の表示の見方についての意見もありました。また、原材料表示になじみの薄いカタカナが多いことや、文字の読みにくさに戸惑っているというメッセージもありました。
――食品表示にはさまざまな情報があり、知りたい情報を読み取りたいという思いはあっても、表示の読み方が今ひとつわからない、ということのようですね。