劇作家・演出家の平田オリザさんがパーソナリティを務めるラジオ番組(ラジオ関西『平田オリザの舞台は但馬』)に、兵庫県養父市長の広瀬栄さんが出演。養父市の魅力とともに、市民が主体的に活動するための基盤づくりやまちの未来に対する想いを伺った。
平成16年(2004年)、兵庫県養父郡の八鹿町、養父町、大屋町および関宮町の4町が合併して成立した養父市。兵庫県北部・但馬地域の中央に位置し、兵庫県の5.0パーセント(但馬地域の19.8パーセント)を占める。西部には県下最高峰の氷ノ山(ひょうのせん)や鉢伏山(はちぶせやま)、ハチ高原、若杉高原が、北部には妙見山(みょうけんさん)がそびえるなど、雄大で美しい自然に囲まれている。
近年では八鹿豚、蛇紋岩米、朝倉山椒や但馬牛(子牛)の生産など、「食の宝庫」としても有名だ。4期目を担う広瀬市長は『挑戦から幸せへ』というマニフェストを掲げ、これまで地域産業の振興と人口減対策に特に力を入れてきた。
人口減が進む養父市では、基幹産業かつ、まちを形作ってきた伝統文化の源である「農業」を守るため、2014年には国家戦略特別区域(中山間農業改革特区)の指定を受け、活発に規制改革を進めてきた。
「国と地方といった行政の流れをみると、どうしても『待ち』の姿勢が染みついている。社会は変化していて、みんなが右肩上がりではない。となると、それぞれの市町村には魅力を生かした自己主張、自立が必要になる。養父市の場合は『農業』でした。制度は、主体的に動こうとするときに障害になることも多い。志ある法人、企業の参入など農業をやりやすくする仕組みを整備したかった」(広瀬市長)
当初は営利優先になるのでは、という懸念もあったが、経営ノウハウを有する企業や就農意欲の高い個人の参入により、維持されている農地も多い。
さらに、人口減対策も待ったなしだ。