2023年4月に行われる兵庫県明石市議会議員選挙で、新たに地域政党を立ち上げる泉房穂・明石市長が30日、候補者を擁立するため公募を始めた。
自らの後援会のホームページから公募できるようにした。応募は自薦・他薦を問わず「立候補に関心のある方」「誰かを推薦したい方」という2つのチャンネルで受け付ける。募集は2023年1月末までを予定する。 明石市長選挙について公募するかどうかは未定。
議会で長年続く自民・公明両党との対立を経験した泉市長は、「特定の業界団体や宗教団体、労働組合などが関わるのではなく、周りからの人望があり、この人ならという方にお願いしたい。古い議会運営ではなく、時代に即した運営ができる人。議会が変わらないと市政は変わらない」と話し、「(今後立ち上げる地域政党から)まずは新人候補を6人擁立する」と述べた。
慢性的な投票率の低さが懸念され、選挙結果は組織からの票に左右されることが多いが、泉市長は「そこは市民の感覚を信じる。私自身が市長に初当選した時は、対立候補に数多くの支持団体がついていたが、結果的に勝利したのは、心ある多くの市民が支えてくれたからだ」と訴えた。
そのうえで、「現状の日本の選挙は理不尽であり、大きな団体に依拠する選挙ではいけない。そして“(選挙に)出たい人より、出したい人”に期待したい」と話した。12月中にも第1弾の候補者を発表したいとしている。
なお、地域政党(政治団体)の選挙管理委員会への届出は12月以降を予定している。泉市長は「国政政党などからも連携打診の連絡がひっきりなしにあり、予想以上に話が大きくなっている」と驚きの表情を見せ、「新党結成という、大それたものではない。私としては後継候補が市長選挙に勝利し、市議会で過半数の16議席の獲得を目指すに過ぎない。その上で国や県に物申すスタンスは変わらない」と述べ、既存の大阪維新の会や都民ファーストのような地域政党とは異なり、まずは明石市・明石市議会でのベースづくりがメインであることを強調した。
泉市長は任期満了に伴う辞任を表明した10月12日以降、「あなたが市長でなければ困る」「せっかく明石に引っ越してきたのに」という手紙が届き、街を歩けば市民が駆け寄り、「辞めないで」などとという言葉をかけられるという。しかし市長を退任する意思は変えていない。
そして30日付でツイッターを再開した。明石市の施策に対する誤解が広がることを懸念したという。「明石市は子育て施策の代わりにインフラ整備が不十分だ」などと誤解を招きかねない意見を聞き、情報発信の必要性を感じた。
一方で「自らの発言への反省もあるが、市民への責任を果たすことも重要で、これまで以上にアクセルを踏んで残り(半年近い)の任期を全うしたい。『困った時はお互いさま。やさしい明石をこれからも』という政治姿勢は変えずに、これまでに打ち出した政策を継続させる責任がある」と強調した。