1月も終わろうとしている。「今月は餅をたくさん食べた」という人もいるだろう。お隣の韓国でも、日本同様に餅がよく食べられているのだとか。しかし、日本の餅とは原料が異なるという。
韓国の餅の特徴や食べ方、独特な餅文化について、韓国料理店「ラターブル」経営者でレシピ本も出版しているタレントの慶元まさ美が、ラジオ番組『Clip』(ラジオ関西、月-木午後2時30分~)内で語った。
慶元によると、「日本のお餅は"もち米"を使っているので、加熱するとビヨーンと伸びますよね。一方、韓国では"うるち米"を使っているため、モチッとした食感はあるんですけど伸びない」のだそう。紹介したのは、そんな餅を使った韓国の定番、あるいは注目の餅料理3種類。
■トックッ
韓国の餅料理として慶元がまず挙げたのは「トックッ」。「トッ」は韓国語で餅を指す。「クッ」はスープのこと。直訳すると「お餅入りスープ」で、日本のお雑煮に近い料理だという。
いりこ出汁や牛肉の出汁に溶き卵と薄切りの餅、のり、野菜を入れて煮込むものが多いとのこと。あっさりとした味わいが特徴だ。日本は正月にお雑煮を食すのが一般的だが、韓国でも正月(元日)と旧正月「ソルラル」を祝う際に、このトックッを食べるのだそう。
■トッポギ
韓国の定番料理。トッ=餅と、“炒める”という意味の「ポギ」を合わせた言葉で、直訳すると「餅炒め」。指の太さほどの棒状の餅・トックを、コチュジャンや砂糖を使った甘辛いタレで煮込んだもの。元々は宮廷料理だったが現在は庶民の味として親しまれており、街なかの屋台の定番料理としても定着している。
■トッケイク
トッ=お餅に、ケイク=ケーキを組み合わせた、文字通り「お餅のケーキ」。誕生日祝いや何かの記念日に登場するという。昔ながらのものは、一口サイズの色とりどりの餅をホールケーキに見立てて並べ、丸を形作る。最近では、お餅の材料だけでデコレーションまで本物のケーキのように仕上げたものや、それをカットしたピースも販売されているとのこと。
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また韓国には、引っ越したりお店を開いたりした際、近所に餅を配るならわしがあるのだそう。由来は諸説存在するが、慶元によると「お餅のようにぴったりと土地にくっつく(根付ける)ように」との願いを込めているのではないか、と。さらに、「昔は、受験生の親御さんが試験会場の大学までお餅を持って行き、『うちの子がこの大学にピタッとくっついて落ちませんように』と願いを込めて、大学の外壁にお餅を貼る風習があったそうです」と、受験戦争が激しいとされる韓国ならではのエピソードも披露した。
※ラジオ関西『Clip木曜日』2023年1月12日放送回より