最高裁(第1小法廷)は1月30日までに、国や大阪府・市から補助金計約1億7千万円を詐取したとして詐欺罪などに問われ、上告が棄却された学校法人「森友学園」の理事長(69)と妻(66)の異議申し立てを退けた。「申し立てには理由がない」との判断。
これで、理事長を懲役5年、妻を懲役2年6か月とした二審・大阪高裁判決が確定する。両被告は保釈されていたが、今後収監される。
大阪高裁の判決によると、両被告は2011~2017年、大阪府豊中市の国有地で開校予定だった小学校の建設費を水増しして申請し、国の補助金約5644万円を詐取。理事長は教員数などを偽り、府市の補助金計約1億2千万円をだまし取ったとされた。
一審では妻について、大阪府・市の補助金詐取の共謀は認められないとして無罪とし、執行猶予の付いた有罪判決を言い渡したが、二審では一転して共謀関係があったと認定、実刑とした。
夫妻は「国策捜査を司法が安易に追認したもので、到底承服できるものではない」と批判していた。
森友学園に関する財務省の決裁文書改ざん問題をめぐっては2018年3月、近畿財務局の元職員・赤木俊夫さん(当時54歳)が自殺し、大阪地検特捜部が改ざんの経緯や国有地の値引き問題を捜査。
同年5月、佐川宣寿元国税庁長官ら38人を不起訴処分とした。検察審査会は不起訴不当と議決したが、特捜部は2019年8月、佐川元長官らを再び不起訴とした。