国も推奨している「地産地消」。地元で生産されたものを地元で消費するという考えにもとづき提唱されています。最近では地域で生産された農産物を地域で消費する活動を通じて、農業者と消費者を結び付ける取り組みが積極的に行われています。
三宮にある『KOBE DINING 八百屋』(神戸市中央区)は、そんな地産地消を感じられるショップのひとつ。神戸産の野菜を中心に、惣菜や弁当・サラダ・ベジ唐揚げを販売しています。地産地消にこだわるようになったきっかけなど、詳しい話を担当者に聞いてみました。
――ショップコンセプトを教えてください。
「地産地消をテーマに展開しています。当店の場合は、直売所で売れ残ったり流通に乗らなかった野菜を販売しています」(担当者)
――売れ残るなどした野菜に着目したのはなぜですか?
「もともと『JA兵庫六甲』と提携していたのですが、売れ残る野菜がとても多いことが判明しました。それまで売れ残った野菜は農家の畑の肥料として使われていたのです。ですが、少しでも売れた方が農家の収入を支えることができるのではないか……と感じたのが理由です。私たちはこの活動を『神戸もったいないプロジェクト』と呼んでいます」(担当者)
――商品のディスプレイにひと工夫されていると聞きました。
「ショーケースにケーキが並んでいるような、華やかで可愛いイメージを持ってもらえるように、野菜をプリンカップでパッケージングしています」
――人気の商品を教えてください
「彩り野菜のふくさ焼きです。具材のいっぱい入った卵焼きのような惣菜です。低温で60分ほどじっくり焼いています。野菜も程よく熱が入るので美味しいですよ! ちなみに神戸市西区の生産者の野菜を使っています」(担当者)
――今後はどんな展開を考えていますか?
「今は農家がどんどん減っている状況。少しでも農業従事者を増やすにはどうしたらいいのかを、野菜を販売する立場として向き合う必要がある。そのためには、もっと地元の食材を地元の人々にで食べてもらいたいですね。私たちの活動を神戸全域に広げることで、地産地消に興味を持ってもらえる理由のひとつになれば。それをきっかけとして、生産者と消費者、“同じ地元に生きる者”としての結びつきがもっと強くなると信じています。ゆくゆくはこの活動を全国に発信していきたいと思っています!」(担当者)
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我々が暮らすそれぞれの地元。そこで作られた食材を楽しみ感謝して食べる環境づくりが当たり前になれば、生産者をより支えていける仕組み作りにもなります。まずは「地元の食材を知り味わってみる」、これが地産地消の第一歩になるのではないでしょうか?
(取材・文=メタボリック狩森)
■KOBE DINING 八百屋
・住所:兵庫県神戸市中央区三宮町1-10-1
・営業時間:午前10時〜午後9時
・アクセス:各線「三宮」駅から徒歩3分(神戸三宮・さんちか8番街「麺ロード」入口すぐ)
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