◆鉄アナ・羽川英樹「行ってきました!」
今回は京阪電車の京阪本線、「淀屋橋」から中間拠点の「枚方市」までを、紺と白のカラーに身を包んだ快速急行に乗って紹介します。この3000系には、8000系特急とともにプレミアムカー(有料座席車両)が1両連結されており、そのラグジュアリーな車両(3000系プレミアムカー=3850形)は2022年度の鉄道友の会ローレル賞を受賞しています。
大阪~京都間はJR京都線や阪急京都本線と競合しますが、カーブが多い線形の京阪はとてもスピードでは勝つことができません。そこで徹底した乗客サービスに徹してきたのです。京阪は、名物の1つだった「テレビカー」(テレビを搭載した特急用車両、2013年に終了)を日本でテレビ放送が始まった1953年の翌年(1954年)に早くも設置。ほかにも、特急料金不要や複々線区間、駅冷房装置、転換クロスシート、土曜ダイヤの導入など全国の私鉄に先駆けて取り組んできました。
それでは京阪本線を進んでいきましょう。大阪メトロ御堂筋線とも接続する始発駅「淀屋橋」は、大阪市役所や中之島公園の最寄り駅。縦に長い1面3線のホームを出発した快速急行は、「北浜」「天満橋」と地下区間を通って「京橋」の手前で地上に姿を現します。
「京橋」はJR大阪環状線・学研都市線や大阪メトロ鶴見緑地線と接続する、京阪で最も乗降客の多い駅。北口は庶民的な歓楽街、南口には高層ビルが林立する近代都市・大阪ビジネスパーク(OBP)と、駅をはさんで好対照な街並みが広がります。
ここからしばらくは京阪自慢の複々線区間となります。特に「京橋」~「守口市」間は昭和8(1933)年にすでに複々線が完成していたといいますから、その先見の明に驚きです。内側線を特急・快速急行・準急などの優等列車が、外側線を普通列車が走行します。
次の停車駅の「守口市」までの複々線区間はまっすぐな線形で、駅間距離が路面電車のように短く、次の駅がしっかり見えています。特に「滝井」~「土居」間は400メートルしかなく、快速急行はたった15秒で通過。関西大手私鉄で一番駅間距離が短い区間になっています。結局「守口市」までノンストップの快速急行は、6駅も通過したのにわずか4分20秒で到着しました。
「守口市」の駅前にはホテルアゴーラ大阪守口、商業施設のテルプラザ、守口市民体育館、京阪百貨店守口店などがずらっと立ち並びます。
「守口市」を過ぎると、パナソニックの広大な事業所が見ながら「門真市」を通過。この駅では大阪モノレールと接続するのですが、京阪は主に普通列車しか停車しません(朝夕に区間急行の停車あり)。この近くには、4月に大規模商業施設の「三井ショッピングパーク ららぽーと門真・三井アウトレットパーク大阪門真」が開業するので、せめて準急や区間急行は停めてもいいような気がします。
そこから「古川橋」、「大和田」を経て、「萱島」を通過する際には大阪方面のホームから、高さ20メートル・幹回り7メートルという大きな木が目に飛び込んできます。これはホーム下にある萱島神社の樹齢700年のクスノキなんです。この大きなご神木は高架化工事の際にも撤去されず、ホームの屋根を勢いよく突き抜けています。
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