瀬戸内に”春”告げるイカナゴ、7年連続「不漁」予測 2023年も平年下回る | ラジトピ ラジオ関西トピックス

瀬戸内に”春”告げるイカナゴ、7年連続「不漁」予測 2023年も平年下回る

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 瀬戸内海に春を告げる、イカナゴのシンコ(稚魚)漁について、兵庫県水産技術センター(兵庫県明石市)が20日までに、2023年のシーズンも兵庫県内の全ての海域で「不漁」と予測した。不漁予測は2017年以降、7年連続。

 漁期前の調査でわかった。原因として水質の改善による魚介の栄養源の窒素不足によるところが大きいとみられる。

水揚げされたイカナゴ(シンコ)

 シンコ漁は、2017年に前年比1割以下の約千トンに急減している。いずれも速報値で、2020年は過去最少の147トン、2021年(一昨年)は1467トン、2022年(昨年)は少し持ち直して1665トンだった。しかし、2016年までは1万トンを超えていたため、水産技術センターは「依然として低漁獲量が続いている」との見解を示している。

大阪湾・イカナゴ漁操業の様子 淡路島東側海域(岩屋から津名)<2022年3月3日撮影 ※画像提供・第五管区海上保安本部>

 主な産卵場、播磨灘の鹿ノ瀬海域(明石海峡の西側から南西方向)での親魚採集尾数は(調査期間・2022年12月2日~2023年1月5日)、昨年と同水準。産卵量指数(親魚の大きさを考慮して算出した産卵量の目安)も昨年と同じ程度(昨年比約1.2倍)で、いずれも平年値を下回った。

 こうしたことから、今シーズンのシンコ漁獲量は、播磨灘、大阪湾、紀伊水道の3海域とも平年を下回ると予想される。

明石海峡(赤色・楕円印)の水質改善が栄養不足を招いた側面もある

 1地点あたりの稚仔魚(ちしぎょ)の平均採集尾数(調査期間・2023年1月26〜29日)は、
 ▼播磨灘 1.7尾(昨年3.4尾、平年値10.2尾)昨年より半減
 ▼大阪湾 2.2尾(昨年15.1尾、平年値14.1尾)昨年の約15%
 ▼紀伊水道 0.6尾(昨年0.9尾、平年値3.1尾)昨年の約67%
 いずれも平年に比べて低い値で、分布量も低水準だった。(※平年=1986~2020年の平均値)

 兵庫県水産技術センターは、依然としてイカナゴの資源量は低水準であることを踏まえ、今後、漁獲量を増やすためには、引き続き産卵親魚を残すことを踏まえた漁獲が必要だとしている。

 今シーズンの漁の解禁日は、漁業者が2月下旬に行う試験操業などを基に決める。

明石海峡でのイカナゴ漁<※画像提供・第五管区海上保安本部>
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