“福の神”であるえびす神をまつる神社の総本社・西宮神社(兵庫県西宮市)。今年、3年ぶりに行われた開門神事「福男選び」でも話題になりました。そんな西宮神社に、幸せと商売繁盛を願って奉納されているのが「アンリ・シャルパンティエ」(本店:兵庫県芦屋市)の縁起菓子『えびすフィナンシェ』です。
アンリ・シャルパンティエは、1969年、阪神芦屋駅前にスイーツが食べられる喫茶店をオープンしたのが始まり。店名は、フランスの伝統的なスイーツ“クレープ・シュゼット”の考案者に由来しています。クレープ・シュゼットとは、クレープにオレンジソースを合わせ、仕上げに、フランベしたリキュールをかける温かいデザート。
老舗レストランでコックの見習いとして働いていた創業者の蟻田尚邦(ありたなおくに)さんは、提供されていたクレープ・シュゼットの青い炎の演出を幸せそうに見つめる人々の姿に衝撃を受けたそう。そこで、考案者であるフランス人パティシエのアンリ・シャルパンティエさんに敬意を表し、店名をつけました。
アンリ・シャルパンティエは、芦屋本店を皮切りに国内に93店舗、シンガポールにも5店舗(2023年3月中に6店舗目がオープン予定)を構えています。さらに、芦屋本店は『芦屋の時間を刻む町の風景となるお菓子屋』をコンセプトに2014年にリニューアルしました。生ケーキ作りはすべて手作業。創業当時からのこだわりだそうです。
そんなアンリ・シャルパンティエの『えびすフィナンシェ』は、2017年に誕生しました。本社工場が西宮神社の近くにあることから、食べる人の幸せと商売繁盛を願い、毎月1日の旬祭でえびすフィナンシェを奉納しています。西宮神社の開門神事・福男選びで、一番福から三番福の副賞としても贈られます。
えびすフィナンシェに乗っているのは、古来から魔よけの効果があるとされている“小豆”。なかでも、大粒でハリがある北海道産の大納言小豆にこだわっているといいます。また、フィナンシェの生地にはオリジナルの発酵バターと2種類のアーモンドを使用。アーモンドは挽いてから10分以内のものを生地に混ぜるのも、風味豊かに仕上げるポイントだそうです。