イカナゴの稚魚であるシンコを甘辛く炊いた神戸の郷土料理「くぎ煮」。春を告げる料理としても知られるが、3月4日にイカナゴ漁が解禁され、地元のスーパーや商店街ではさっそくシンコで作られたくぎ煮が並んでいる。
神戸市須磨区の産直市場「ナナ・ファーム須磨」の鮮魚コーナーでも店内で調理された「くぎ煮」が飛ぶように売れているという。価格は100グラム735円。店内調理の在庫がなくなると、地元の漁師などが作ったくぎ煮に切り替わるため、価格は変動する。
ここ数年不漁が続いているイカナゴ漁。同市場では地元周辺の漁港よりも漁獲量が期待できる姫路の坊勢まで鮮魚担当が車を走らせ、獲れたてのシンコを仕入れたそうだ。その新鮮なシンコをしょうゆ、砂糖、みりん、ショウガで味付けすると、ピンとした姿勢が印象的なくぎ煮ができあがる。
同市場のスタッフは「くぎ煮は家庭によって味が違うが、店内で作ったくぎ煮は熱々のご飯に合うように甘みとしょうゆのバランスをとっている。お酒のつまみや冷ややっこのトッピングにするのも定番だが、おすすめは巻きずしの具。酢飯や他の具材との相性も抜群なので試してほしい」と話す。
■ナナ・ファーム須磨
兵庫県神戸市須磨区外浜町4-1-1
電話 078-733-7722
※店舗ごとに営業時間や定休日が異なるため、詳しくはナナ・ファーム須磨の公式サイトを参照