山城の中でも歴史が古いとされる「有年山城(うねやまじょう)」を、ご存知ですか? 赤穂市東有年の大鷹山山頂にあり、標高201メートル。山城としては少し低く感じるかもしれませんが、傾斜が多く、さすがは山城といった風情。簡単には登らせてくれません。山城を登る醍醐味を味わえると言えます。
地元では、文化財を守ると同時に、有年山城を通して有年の町をもっと知ってもらおうと精力的に活動しています。今回は、そんな地元の人々に愛される山城と、それを支える『有年山城プロジェクトチーム』の努力を紹介します。
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有年山城一帯には、神社や灯台、飾り石に古墳と多くの魅力が詰まっています。登山を始めてしばらくすると、まず「高瀬舟灯台」があります。灯台といえば、一般的には岬や海のイメージですが、この灯台は、千曲川舟運のため川から見えるようにと、山に建てられた灯台です。高所にあるのでとても眺めがよく、休憩用ベンチも近くに設置されており、灯台と一緒にゆっくりと景色が楽しめます。
その横には「有年八幡神社」があり、絵馬殿にはたくさんの奉納額が掲げられています。古く貴重なものですが、絵柄は今でもしっかりと肉眼で分かる状態で、大切にされてきたことが伺えます。
神社の周辺を少し探索すると、石垣が綺麗な状態で残っている場所を見つけました。なんとそこには、珍しい飾り石が!
飾り石とは、城壁の石垣表面を美しく見せるために仕上げられたもので、江戸期に多く施されたといいます。ここの石垣には、扇の形とうさぎの形のものがあり、かわいらしく、とても美しい形をしています。保存状態も良いためか、古くから存在しているとはとても思えません。他にも、赤穂市内で唯一の前方後円墳があるなど、歴史のロマンや魅力にあふれています。
なのになぜ、今まで一般に広まっていなかったのか。