先日、仕事で奄美大島の南隣にある加計呂麻島(かけろまじま)を訪れた際、「よくぞ遠くまでお越しくださいました」と歓迎のお花をいただいたんです。しかし、そのお花を見てみると……。
「えっ、これお花!?」
花束に使われるお花といえば、カラフルでかわいらしい花びらがついているイメージですが……。今回いただいた濃い紫色のお花は高さ約25センチ×太さ約15センチにもなり、ずっしりと重いんです。そのうえ、花束かと思いきや、大きなお花一輪なんです。
咲いているというよりも、蕾のような大きな塊から赤い花びらが1枚だけこちら向きにベロンとまくれていて、まるで「アッカンベー」と舌を出しているような……。なんじゃこれ?
プレゼンターの方に「これは何の花なんですか?」と尋ねてみたところ、「そこらじゅうに咲いていますから、帰り道で見てみたらわかりますよ」とひと言。言葉通りに住宅街を歩いてみると、その花はすぐに見つかったのですが……。
「えっ!? これ、バナナの花なん!?」
驚きを隠せないままにしばらく見て回ったのですが、バナナの木がなっているのは畑というわけでもなく、いわゆる一般家庭のお庭。それも1軒ではなく、見る家見る家にバナナの木があるんです。さすが南国!
普通、花は上に向かって咲いているものが多いかと思うのですが、バナナの花は垂れ下がった太い茎の先っちょに大きな紫色の花がぶら下がっているという……。夕方の薄暗くなってきた時間帯なんかだと“悪魔のしっぽ”に見間違えてしまいそうなほど、ちょっぴり不気味な咲き方をしているんです。
バナナの花について、地元の人たちにも話を聞いてみました。