フルーツと相性のいい生ハムをアイスクリームに合わせる斬新なメニュー「生ハムアイス」。テレビ番組で取り上げられたり、SNSに実食報告などの投稿が寄せられたりと、にわかに話題になっています。
兵庫県・神戸に、生ハムを乗せたアイスクリームをオリジナルメニューとして提供する生ハム専門店があります。なんでも、見た目にインパクトがあるだけではなく、生ハムのしょっぱさと、もったりとしたまろやかな自家製アイスの甘みが見事なハーモニーを生み出すのだとか。神戸のインスタグラマー・ウラリエさんもすでに何度も食べたことがあるそうで、最初は半信半疑だったものの、食べてみると甘じょっぱさの虜になってしまったそう。
「Piacere KOBE(ピアチェーレ コウ)」の店長に、開発のきっかけなどを聞きました。
■ひらめきは「和菓子」から 完全オリジナルの挑戦メニューが看板商品へ
「生ハム乗せアイス」は、本場イタリアにも無いメニューだといいます。ハムの塩味を生かした、日本の食文化にピッタリのアレンジはないか? と考えた時にひらめいたのが和菓子。みたらしだんごのような甘じょっぱい組み合わせのオリジナルデザートを作ろうと考え、アイスクリームならバリエーションが豊富で季節ならではの楽しみ方もできる、と開発に至ったとのことです。
■旬の果実とのコラボも人気 フルーツとの組み合わせに“方程式”も
生ハム乗せアイスは、これまでラムレーズンやショコラなど、季節に合わせた期間限定のフレーバーを販売してきました。アイスは自家製、ハムは空気に触れた瞬間から酸化が始まってしまうため、オーダーを受けてからスライスするそう。ウラリエさんは、「スライスしたての生ハムってすごくふわふわで、口の中に入れた瞬間ハムが溶ける!」と、その新鮮な食感に舌鼓を打ったことを話しました。
現在は、いちご「あまおう」味が提供されています。あまおうは、生ハムの塩味とマッチするよう、通常より風味が強い大きなデラックスサイズを使用。果肉を色鮮やかなピューレに加工し、甘みと塩味のコントラストをしっかりと味わえるようこだわっているのだとか。
生ハムと相性が良いフルーツは、メロンやマンゴーなど水分が多いものとのこと。たとえ旬でも、リンゴなど、水分が少なく酸味が強いものは合わないこともあるそうです。
■アイスが生ハム入門に貢献! 食べ比べも楽しみに
生ハムは高価なものも多いため、もともとの来店客は30代以上が多かったところ、生ハム乗せアイスは500~600円ほどで購入できることから子どもや若い人も増加したのだとか。また、アイスに使っている生ハムは、熟成期間が短く塩味がハッキリしたもので、食べた人の中から「熟成期間が長く、まろやかな味のものと食べて比べてみたい」との声も出てくるなど、“生ハム入門”メニューとしても役立っているそう。
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生ハムとアイス、そしてフルーツ……。挑戦的なメニューは多くの人に新しい出会いをもたらしているようです。
(取材・文=みねほのか)