ハリソン・フォード演じる考古学者が繰り広げるアドベンチャー、15年ぶりの新作。ついに最後の冒険へ旅立ちます。映画『インディ・ジョーンズと運命のダイヤル』が公開中。
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物語の始まりは、第二次世界大戦の末期です。考古学者インディ・ジョーンズは、幼い頃から歴史や遺跡の研究を続けてきました。見つけたお宝は“人類すべての遺産”として博物館に収めることが正しいと考えています。インディは、オックスフォード大学教授のバズとコンビを組み、ナチス・ドイツが多くの国から強奪した秘宝を奪い返し、博物館に戻そうとしていました。
イエス・キリストを突き刺したと聖書に記された“ロンギヌスの槍”を探して、インディたちはナチス軍が移動する列車に乗ります。変装して軍に紛れ込み、ついに槍を見つけますが、それは偽物でした。
この槍を追う過程で、インディは奇妙な形をしたダイヤルを発見します。これは、運命のダイヤル=アンティキティラと呼ばれていて、人間の想像を超える驚異的な力を秘め、 歴史を変えてしまうパワーがあるらしいのです。部分的に欠けていますが、新たな秘宝です。
運命のダイヤルは、ナチスの科学者フォラーが見つけたものでした。インディとバズは、ダイヤルをめぐってフォラーと争いになります。2人は走り続ける列車の中をフォラーに追いかけられ、列車の屋根の上に追い詰められます。ピストルを奪い合って、生きるか死ぬかの危機的状況となりますが、フォラーは列車から弾き飛ばされ、インディたちは湖に飛び降りて生き残ります。
時は流れ、1969年。アポロ11号が月面着陸に成功し、宇宙飛行士たちが地球に帰ってくるのを祝うパレードがニューヨークで行われます。インディは、研究の傍らニューヨーク市立大学ハンター校で学生たちに教えてきましたが、この日に定年退職することになっていました。
最後の授業を終えたインディはバーに入りました。インディの座っているカウンターに女性が現れます。彼女は、バズの娘ヘレナでした。ヘレナは父親が研究していたあのダイヤルの行方を探していると言います。一部が欠けた運命のダイヤルは、バズが人生をかけ、謎を解く研究を続けてきましたが、謎が明らかになる前に亡くなりました。ダイヤルは今、インディが保管しています。
「父の話によれば、昔、あなたも見たはず。歴史を変える“運命のダイヤル”を」
「父親を狂わせたものだぞ」
博物館の保管庫。ここにダイヤルがあります。インディとヘレナが保管状態を確認しようとすると、あの日にインディとバズからダイヤルを奪われたフォラーが、強そうなボディーガードを連れて現れました。ヘレナはダイヤルを奪い、インディを見捨てて逃げ出します。
フォラーに追われるインディ。何とか追跡を交わしますが、パレード中に起こった殺人事件の犯人として指名手配されてしまいます。警察からも追われることになったインディは、ヘレナを追いかけてモロッコへ飛びます……。