“リーゼント”や“テクノカット”、“聖子ちゃんカット”など、昭和の時代にはさまざまなヘアスタイルが流行しました。そのなかのひとつ、1970年代の若者たちを中心にブームとなったのが“アフロヘア”。そんなアフロヘアについて、1953年の創業時から美容商品を扱っている山本美材株式会社の担当者に話を聞きました。
―――昭和にアフロヘアが流行った?
【担当者】 1960年代後半から1970年代ごろ、スティーヴィー・ワンダーやジャクソン5など、ブラックミュージックの発信地として知られるアメリカのレコードレーベル「モータウン」のアーティストが日本の若者を中心に大流行しました。アフロヘアの黒人アーティストに憧れた人たちが髪型を真似し、街中で見かけるほどに流行しました。
―――どんな人がアフロヘアにしていた?
【担当者】 音楽好きや目立ちたがり屋の人など、10~20代の遊びざかりの人ですね。なかでも、ディスコなどで多くみられましたね。男性が多かったですが、女性も一定数いました。当時は、アフロヘアにする芸能人も多かったと思います。そんなアフロヘアの人たちが必ず持っていたのが、「アフロコーム」です。
―――アフロコームはどのような道具?
【担当者】 先端にクシがついた平たい形状のコームで、髪の毛を梳かすためのアイテムではなく、先端を刺したり抜いたりすることで表面の凹凸をなくし、アフロがきれいな丸になるように使用します。
―――アフロコームの「コーム」は何を指す?
【担当者】 「コーム」は日本語で「クシ」を意味し、美容業界では一般的な用語です。つまり、「アフロコーム」は「アフロ用のクシ」という意味ですね。
―――アフロヘアも髪の手入れが必要?
【担当者】 メンテナンスせずに放置するとゴワゴワになって絡まってしまい、取り返しのつかない状態になります。そのため、アフロコームを使ってしっかりと丸い形に整えることが大切なんです。