「研究成果で社会に貢献」 新しい産学連携の発展目指す 神戸大学100%出資のイノベーション会社 | ラジトピ ラジオ関西トピックス

「研究成果で社会に貢献」 新しい産学連携の発展目指す 神戸大学100%出資のイノベーション会社

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 世界中に大きな経済的打撃も与えた新型コロナ。各企業は、“元に戻す”以上に新たな道の開拓を模索している。そこで今年9月、ポストコロナのビジネスチャンスを探ろうと、地元信用金庫が主催する『こうべしんきん ビジネスメッセ 2023』が兵庫県神戸市内で開かれた。

 今シリーズでは、メッセを通じて発信された、兵庫・神戸の企業の独自技術やサービスを全23回にわたって紹介する。第22回は、神戸大学が100%出資する子会社・株式会社神戸大学イノベーション(神戸市灘区)。

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 神戸大学は、人文社会系から医学部まで幅広い分野の10学部15研究科を持つ総合大学。各学部とも、学術成果を通して地域社会の発展に貢献したいとの姿勢で非常にユニークな研究を行っていることから、さまざまな業種の企業から研究依頼が舞い込むという。

 神戸大学イノベーション(KUI)はそのような環境を背景に、2020年3月、新しい産学連携の模索と発展を目指し、大学のノウハウを社会貢献に生かそうと設立された。主に、研究者の特許・知財ライセンス契約や、企業の技術課題における共同研究など、大学で培われた技術を世の役に立てるべく届けること業務としている。

 企業連携部に所属する豊田一生さんは、実際に企業支援に取り組んでいる一人。依頼主の企業が抱える技術的な課題をヒアリングし、大学の研究成果を活用を課題解決につなげている。そのためにも、大学内部で行われている研究内容を、企業などの外部に対して積極的に発信しているという。

 兵庫県加西市にある神戸大学大学院農学研究科附属 食資源教育研究センター(2003年発足)では、たまねぎなどの野菜や、穀物である米、ぶどうやなしなどの果物、食肉用の牛までさまざまな農畜産物や加工品を作り、近年は“神戸大学ブランド”として送り出してもいる。

神戸大学大学院農学研究科附属食資源教育研究センター(加西市)で研究開発したじゃがいもの新品種『はりまる』
神戸大学大学院農学研究科附属食資源教育研究センター(加西市)で研究開発したじゃがいもの新品種『はりまる』
同センターで繁殖・肥育されている神戸大学産神戸ビーフ
同センターで繁殖・肥育されている神戸大学産神戸ビーフ
株式会社名産神戸肉旭屋(本社:高砂市、代表取締役:新田滋)と共同で商品開発した『神戸大学ビーフコロッケ』(はりまつと神戸大学ビーフ使用)
株式会社名産神戸肉旭屋(高砂市)と共同で商品開発した『神戸大学ビーフコロッケ』※はりまると神戸大学ビーフ使用
株式会社浪花昆布(本社:神戸市、代表取締役:小濱敬一)と共同で商品開発した『はりまるチップス』(はりまる使用)
株式会社浪花昆布(神戸市)と共同で商品開発した『はりまるチップス』 ※はりまる使用

 企業と連携した商品も製作し、徐々に知名度も伸ばしつつある同社。豊田さんは、今後について「総合大学だからこその幅広い研究分野で、消費者に近い目線で広く提案できれば」と展望した。

株式会社神戸大学イノベーション・企業連携部アソシエイトの豊田一生さんと(写真左)と、ラジオ関西パーソナリティの三上公也氏
株式会社神戸大学イノベーションの豊田一生さんと(写真左)と、ラジオ関西パーソナリティの三上公也氏

※ラジオ関西『こうべしんきん三上公也の企業訪問』2023年10月17日放送回より
※記事内の回数は放送順です。記事の公開は順番が前後する場合があります。

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