世界文化遺産・東寺(教王護国寺 京都市南区)で、真言宗立教開宗1200年を記念する慶讃大法会(けいさんだいほうえ)が10月8日から開かれている。14日まで。
794年、桓武天皇による平安京遷都から2年後、都の鎮護のために創建された東寺。823年、嵯峨天皇から唐で密教を学び帰国した弘法大師・空海に下賜された(託された)。 東寺ではこの年を真言宗の立教開宗の年としている。
それまで官立寺院だった東寺は、以後、密教寺院として変容していく。
8日、本堂・金堂(国宝)で行われた開白法会(かいびゃくほうえ)では、導師の飛鷹全隆(ひだかぜんりゅう)・第257世東寺長者が、「弘法大師・空海は東密(東寺の密教 比叡山の天台密教・台密に対する)根本道場として、ここに真言宗を立教開宗さる 重ねて乞う鎮護国家・ 広度衆生(生きとし生けるものを救う)」と、法要の趣旨や祈願の内容を述べる願文を読み上げるなど、25人の僧侶が3時間以上にわたり読経した。
慶讃大法会は、五重塔、講堂、御影堂などでも行われ、結願(けちがん 最終日)となる14日まで続く。
これを記念した特別拝観「東寺のすべて(※)」では、宝物館で「両界曼荼羅図(伝真言院曼荼羅 展示は10月21日まで)」や、空海が最澄にあてた手紙「弘法大師大尉尺牘(風信帖)」の公開(10月22日~11月25日)、食堂(じきどう)では写真家・土門拳氏が東寺を撮影した作品約50点を展示している。
◇ふだんは非公開の東寺・灌頂院「ネクストマンダラ-大調和」現代アーティスト・小松美羽の世界観