阪急電鉄(本社・大阪市北区)は2024年夏に新型車両を導入する。
京都線で特急車両「2300系」、神戸・宝塚線では通勤車両「2000系」をそれぞれ運行する。阪急の車両のモデルチェンジは2013年以来11年ぶり。
京都線・2300系には阪急では初となる、有料の座席指定サービス車両を1両設ける(大阪側から4両目を予定、料金など詳細は後日発表)。
外観デザインは、“マルーン”という阪急独特の、栗色ともあずき色とも言える紫がかった車体に、この色を引き立たせる”アイボリー”(白色の一種)を冠のように屋根にまとわせた車体と、直線的なデザインを継承する。
そして、「疾走感」を醸し出すため、前面の窓ガラスに曲線を取り入れた。
内装は、木目調の化粧板やゴールデンオリーブ色(深緑色系)の座席といった阪急の伝統を踏襲する。また、ロングシート両端にある袖仕切り(そでしきり・ポールや板を設けた仕切り)を半透明の素材に変更する。
バリアフリー機能も充実させる。先頭車両の車いすスペースを拡大し、吊り手の高さを下げ、吊革の色を色覚の多様性にも配慮したものに変更する。
さらに、省エネルギー性能と静音性に優れたインバータ式空調装置や空気清浄機を初めて採用するほか、防犯カメラを設置して車内の安全性を高める。
ロングシート仕様の2000系では、乗客が座席から立ち上がる際のサポートや、立っている乗客の安全性をより向上させるため、座席の中間部にも握り棒を設置する。
セミクロスシート仕様の2300系では、優先座席の中間部に握り棒を設置。
さらに、最新の高効率な半導体素子を用いた制御装置を採用することにより、1960年代以降に製造した既存車両と比較して消費電力量を約60%削減する。