谷村新司さんの青春『ポートジュビリー』「恋も何もかも神戸」 アリスへの想い「いつでもやれる喜び」 | ラジトピ ラジオ関西トピックス

谷村新司さんの青春『ポートジュビリー』「恋も何もかも神戸」 アリスへの想い「いつでもやれる喜び」

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 10月8日に74才でこの世を去ったシンガー・ソングライターの谷村新司さんをしのび、ラジオ関西(本社:兵庫県神戸市)は、谷村さんがデビュー前にバンド活動の拠点とした神戸の音楽サークル「ポートジュビリー」の特別番組を再放送した。

谷村新司さん(写真右)とラジオ関西パーソナリティ・増井孝子氏(当時、ロック・キャンデーズが出演した「ポートジュビリー」のステージで司会を担当) 2022年4月撮影
谷村新司さん(写真右)とラジオ関西パーソナリティ・増井孝子氏(当時、ロック・キャンデーズが出演した「ポートジュビリー」のステージで司会を担当) 2022年4月撮影

 フォークブーム真っただ中の1960年代、各地で大学生たちが学校の枠を超えて、カントリーやフォークを中心とした音楽サークルを立ち上げた。中でも神戸の「ポートジュビリー」(以下:ポート)は人気、実力ともに高く、のちに谷村さんとともにアリスを結成する堀内孝雄さんも別のバンドで参加していた。

 2002年4月、谷村新司さんは、デビュー30周年の年に放送された特別番組『ポートジュビリー』で当時をこう振り返った。

「青春というとポート(ジュビリー)が出てくる。(出身は大阪だが)どうしても神戸で音楽活動をしたかったのは、女の子のセンスが良くてキレイだからという単純な理由だったけど、みんなでステージをやって、いわゆる青春期。恋も何もかも神戸!」

 大学生だった谷村さんと山本峯幸さん、高校生だったヴォーカルの島津ちづ子(愛称:チイ)さんで結成したロック・キャンディーズは、自分たちのオリジナル曲を作り始め、まだカバー曲が中心だったアマチュアバンドの中で先駆的な存在だった。ポートジュビリーは、そんなロック・キャンディーズも無条件に参加できたわけではなかったとか。

「歴史があるポートにはオーディションを受けて入った。『何を、オーディションなんて!』と思っていたが、それくらいバンドの数がたくさんあった。わがままな人も多かったけど、ハイレベル。学生なのにレコードに吹き込んだりするバンドも多く、今でいうインディーズのはしりやね」(谷村さん)

 大阪の音楽サークルでは草履でステージに上がるような人もいたが、ポートのステージに立つときは神戸らしくオシャレにしたかったという。

「僕はトラッドな感じで出演したくて、『ジャケットとパンツでいきたい』と言ったら、メンバーの峯幸が『服なんか持ってない』と。みんなで安い商店街に買いに行った。高校生だったチイは赤いワンピース」。

 ポートがホームグラウンドとした神戸・三宮の国際会館は、アマチュアの出演者ばかりにもかかわらず、コンサートのたびに満席。開演前にはホールの周りを何周もするほどの人が並んだ。

「学生の自主運営やけど、ステージに上がればいいだけの僕らとちがって、もろもろのややこしいことを全部やってくれた連中たちがいたことに感謝。そこが今の谷村新司のベーシックになっている」。

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