神戸市中央区にある株式会社CiNKはシステム開発や技術者の派遣などを行うIT企業。取締役営業部長の石井達也さんは「少しでも自社について興味を持ってもらうために」という狙いのもと、少し珍しい取り組みを行っている。どのような取り組みなのかを取材した。
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石井さんが入社したのは3年前。その際に同社のホームページ見て「発信力が弱い」と感じたのだそう。テコ入れをしようとSNSの発信や、ホームページで様々な記事を更新していくこととに。しかし、他の業務と同時進行せねばならず、次第に手が回らなくなってきたという。そんなタイミングと重なるように、今年8月、神戸松蔭女子大学のインターンシップの受け入れ要請があり、「広報部を学生にやってもらおう!」と思いついたのだそう。
「経験をもとに、実際に学生たちが就きたい仕事に就職できたら」という思いから、同社のSNSを学生に任せてみることに。1週間、作業を依頼したところ、初日~2日目までは戸惑っていた学生も3日目以降になると「こういうこと考えてるんですけど」「こんなことやっていいですか?」と提案してくれるまでになったそう。
「僕が動かしているときにはしなかったような発信をしてくれて。『 若い人が運用しているんだな』ってことがわかる雰囲気に変わって、対外的な印象も変化してきたのですごいなと思う」と石井さんは笑顔を見せた。
さらに、今年からはホームページ上で漫画の連載を始めた。石井さんの友人にニュースサイトなどで連載記事を持っていた経験のある漫画家がおり、協力を要請したのだそう。内容は同社に関係するものではなく、“旬なトピック”がネタになっている。
「まずは閲覧者に興味を持ってもらうことが狙い。そこそこ反響があって、やってよかったなと感じています」(石井さん)
ホームページはもちろん、同社が取り扱うサービス名も特徴的だ。GPSを活用し営業先(代理店など)を登録し訪問情報を管理できる営業支援ツールは「IZUKO ーいずこー」、システム開発企業に向けた動画制作サービスは「EMAKI ーえまきー」という。これらの名称は会社内で募集し、多数決で決めたのだそう。
様々な新しいチャレンジを繰り広げている石井さん、大学卒業後は東京のエンタメ系企業に勤めていた。自身の土台が“エンタメ”にあるということで、コンテンツを作り充実させていきたいという思いが強いのだそう。「あの会社とタッグを組んで仕事をしたらおもろいことになりそう!……という期待を他社様に持ってもらえたら、自社の発展にもつながるんじゃないかと考えています」と語った。
石井さん自身、毎週メールマガジンを発信している。こちらも会社には関係なく、趣味であったり興味を持ったニュース記事などについて書いている。もともとラジオに一日一通以上メールを投稿していたそうで、書くのが苦ではないという。「今週のメール読みました」「私はこう思います」といった返事があり、原動力につながっているという。