大阪・関西万博(2025年4月13日~10月13日 184日間)のシンボルとして建設が進む木製の大型環状デッキ「大屋根(リング)」が27日、会場予定地の人工島・夢洲(ゆめしま 大阪市此花区)で初めて報道関係者に公開された。
大阪・関西万博をめぐっては、会場整備費が当初の1.9倍となる2350億円(最大)に上乗せされた。リングについては、このうち350億円を投入するものの、当初は閉幕後撤去する方針だった。この350億円について国会で与野党の議論の的になり、“世界一高い日傘”などと批判されている。
完成すれば、木造建築としては世界最大級となる。建築面積(水平での投影面積)約6万平方メートル(甲子園球場の約1.5個分)、カーブが傾斜する「バンク」形状となっており、高さは内側12メートル・外側20メートル、直径が約650メートル、デッキの幅は約30メートル、1周すると約2キロメートルとなり、一般の建物なら3~5階建ての建造物だ。
大阪・関西万博会場デザインプロデューサーを務める建築家・藤本壮介氏がデザイン。
「多様でありながら、ひとつ」という大阪・関西万博の理念を表現して、各施設に向かうための通路となり、屋上には「リングスカイウォーク」と名付けられた展望歩道が設けられる。
リングの建設は、会場の3つの工区で、それぞれ大林組、清水建設、竹中工務店がそれぞれ共同企業体(JV)を構成して担当する。木造構造部分の35%の着工が進み、すべてのリングがつながるのは2024年秋ごろの見込み。
完成したリングの引き渡しは万博開催直前の2025年2月までに終えたいとしている。
万博を運営する日本国際博覧会協会が企画した報道関係者への見学会では、これらのうち大林組のJVが建設を進める北東エリアを公開した。