◆鉄アナ・羽川英樹「行ってきました!」
JR岡山駅は山陽本線(倉敷で分岐する伯備線も含む)・瀬戸大橋線・赤穂線・吉備線(桃太郎線)・津山線と5方向に路線が伸びる鉄道ファンには人気の聖地です。
米子方面に向かう特急「やくも」、四国に入る特急「しおかぜ」「南風」、快速「マリンライナー」に、今もがんばる115系普通列車、非電化の津山線・吉備線で活躍する気動車など、いろんな車両に出会うことができます。
そんな中で今回は岡山~津山の58.7kmを結ぶ津山線を紹介します。中国地方では山陽本線に次いで2番目に歴史が古く、1898(明治31)年に中国鉄道によって開通しました。もともと山陽と山陰を結ぶ重要路線として開通し、かつては岡山発鳥取行の「砂丘」などの急行列車も運行されていました。しかし智頭急行の開通により「スーパーはくと」が登場したことでその役割は終え、今は県内移動の交通機関として、基本は快速と普通が1時間おきに交互に運転されています。
その津山線に2022年7月から登場した観光列車が「SAKU美SAKU楽(さくびさくら)」です。岡山駅9番ホームには1両編成の気動車が停まっていました。淡いピンクに花柄をちりばめたかわいらしい車両です。駅員のみなさんの見送りを受けて午前10時50分に出発進行!
この気動車は1980年製造のキハ40系を改造したもので、車内のボックスシートもロングシートもくつろぎやすいよううまくアレンジされています。車室入り口に掲げられた勝山のれんをくぐると、中づりには地元出身の画家・おかだ美保さんのポップな水彩画6枚が目に飛び込んできます。そして女性アテンデントが道中で丁寧にガイドしてくれます。
ちなみに「SAKU美SAKU楽」は、美しさ・楽しさを「作る」、笑顔や花が「咲く」、そしてそれらを探し求める「索」の意味をもち、500作以上の公募の中から選ばれました。
『玉柏(たまがし)』を過ぎると、右手に旭川が迫ってきます。美しくダイナミックに蛇行する川を眺めやすいよう、徐行運転のサービスはうれしいですね。